By 和田崇彦

基調的インフレ指標、11月はまちまち 刈込平均は伸び拡大=日銀

[東京 24日 ロイター] – 日銀が24日に発表した11月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標はまちまちとなった。刈込平均値や加重中央値の伸び率が前月を上回る一方で、最頻値は伸び率を縮小した。引き続き、3指標とも2%を下回っている。

上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」(2020年基準)は前年比プラス1.7%で、6カ月ぶりに前月の伸び率を上回った。品目のウエートを加味した際の分布で中央の値である「加重中央値」はプラス0.9%とこちらも前月を上回った。一方で、最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス1.1%で2022年9月以来の低い伸び率。

3指数とも伸び率が2%を下回る状況が続いている。日銀の植田和男総裁は19日の会見で「私どもが常日頃言っている基調的物価上昇率とは、かなりずれたものになっている」と指摘。刈込平均値などの伸び率縮小には、かつての輸入物価の大幅上昇がもたらした物価上昇圧力が剥落していることが大きく作用しているとの認識を示した。

11月の上昇品目の比率は75.5%と、前月の75.1%を上回った。下落品目は19.3%で、前月の19.5%を下回った。

一連の指標は日銀が総務省発表の全国消費者物価指数をもとに算出し、毎月発表している。20日発表の11月の生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は前年同月比プラス2.7%と、前月のプラス2.3%を上回った。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)はプラス2.4%と、4カ月連続で伸び率を拡大した もっと見る 

和田崇彦