Kasia Klimasinska
- 軍事・経済的な実力行使を排除せず、「その確約はしない」
- カナダを米国の51番目の州にするため「経済力」を行使-トランプ氏
トランプ次期米大統領は7日、デンマークの自治領グリーンランド、カナダ、パナマ運河に対する米国の影響力を強める上で、軍事的または経済的な強制措置を講じる可能性を排除しない考えを示した。フロリダ州の私邸マールアラーゴで開いた会見での発言。
グリーンランドやパナマ運河の支配権を得たいとの自身の考えを巡り、軍事衝突は念頭にないと明言するかと記者団に問われ、「その確約はしない」とトランプ氏は答えた。「この2つのいずれについても保証できないが、これだけは言える。経済安全保障の観点からそれらが必要だ」とした。
グリーンランドについては、デンマークが領有権を放棄するよう、同国に高い関税を課す可能性があると発言。米国の国家安全保障の観点から必要だとして、「自由な世界のためだ。自由な世界を守るためのものだ」と続けた。
次期大統領による今回の発言は、米国の要求に従わない場合、同盟国に対しても強制的な措置を辞さない構えであることを鮮明にした。トランプ氏はこれまで孤立主義的な外交政策を支持しており、米軍を危険にさらすことは避けたいと述べている。実際に軍事衝突に至る可能性は低いとみられるが、トランプ氏による暗黙の脅しは長年の関係を損なう恐れがある。
またカナダを米国の51番目の州にするよう「経済力」を行使すると指摘。「われわれは基本的にカナダを守っている。カナダの面倒を見るために、年間数千億ドルを費やしている。貿易赤字で損をしている」と述べた。
メキシコについても、米国は貿易面で利用されていると攻撃。「メキシコに対しては巨額の赤字を抱えており、多大な支援を行っている。メキシコは実質的に麻薬カルテルによって支配されており、そんなことは許されない」と述べた。さらに詳細には触れず、メキシコを変えるつもりだなどと語った。
原題:Trump Escalates Threats Against Canada, Greenland and Panama(抜粋)