Michelle Ma、John Gittelsohn
- 超富裕層住むブレントウッドとベルエア地区も新たな避難警報の対象
- 風と乾燥でロサンゼルス郡では火災の危険性が高い状態続く
米カリフォルニア州南部を襲っている山火事で、ロサンゼルス郡パシフィック・パリセーズ地区の北側の山で7日に発生した「パリセーズ火災」は11日までに北東に拡大し、新たな避難警報の対象に超富裕層が住むブレントウッドとベルエア地区が含まれた。一時は小康状態となっていたが、より乾燥した風が再び脅威をもたらす可能性が高まっている。
同郡政執行官のリンゼー・ホーバス氏は11日の早い時間に、火災の拡大が「想像を絶する恐怖と悲しみの夜」を再びもたらしたと述べた。
避難区域の拡大により、著名美術館ゲッティセンターやカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のキャンパスなど、ロサンゼルスで最も重要な文化施設の一部も対象に含まれた。ゲッティセンターは火災に耐えられる設計となっているが、それが試される可能性がある。
ゲッティ財団のキャサリーン・フレミング理事長兼CEOは、美術施設は「安全で保護されている」とし、厳重に監視されているとコメントした。
カリフォルニア州森林保護防火局(通称Cal Fire)によると、UCLAのキャンパスは「厳戒態勢」にあり、避難準備をするよう勧告されている。州間高速道路405号線の東側にあるベルエアの地域にも避難勧告が出されていると、市議会のケイティ・ヤロスラフスキー議員が有権者に電子メールで伝えた。
2019年に発生した「ゲッティ火災」では、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズ選手や元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏などが自宅から避難を余儀なくされた。今週末の避難命令にはエンシノ地区も含まれる。
風が一時的に収まったことで消火活動がやや前進する機会がしばらく訪れていたが、米ストーム予測センターによれば、乾燥した風が火をあおり、来週前半まで続く可能性が高く、数百万人が危険にさらされることになるという。
今回の山火事で11日夜までに16人が死亡。ロサンゼルス郡アルタデナ地区で発生した「イートン火災」の死者は11人、パリセーズ火災は5人となっている。
当局によると、13人が行方不明となっている。夜間外出禁止令違反や強盗、略奪の容疑でイートン火災で19人、パリセーズ火災で3人が逮捕された。連邦緊急事態管理局(FEMA)への支援申請は1万6000件を超えていると、地域責任者のボブ・フェントン氏は述べた。
気象当局によると、雨の予報はない。風と乾燥した状態により、「ロサンゼルス郡では火災の危険性が高い状態が続くと、同郡のアンソニー・マローン消防署長は11日に述べた。
カリフォルニア州のニューサム知事は11日、山火事に対応する州兵の数を1680人に倍増させたと発表。同州では計1万4000人余りの職員が消火活動の支援に動員されている。
原題:Los Angeles Fire Pushes Northeast, Threatens Bel Air (5)(抜粋)