[14日 ロイター] – 米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で続く壊滅的な山火事による米経済全体への影響について、短期的には若干の圧力がかかる可能性が高いものの、現在みられる力強い勢いを失速させる公算は小さいとみられている。
エコノミストらは、山火事による財産の喪失と雇用市場の混乱が成長を鈍化させ、雇用に幾分のブレーキをかけるため、インフレに上振れ圧力がかかる可能性があると想定。ただ、見通しを根本的に変えるほどの規模ではないとみられる。
JPモルガンのエコノミスト、アビエル・ラインハート氏は「山火事の規模と失われた住宅不動産の価値という面から、米史上最も損害の大きい自然災害になりつつある」と指摘。経済被害額は推計2億5千万ドル規模とみられ、2005年のハリケーン「カトリーナ」の被害額を上回る見通しに言及した。
同時に「米国内総生産(GDP)の伸び、雇用、インフレへの短期的な影響は小さい」とし、「家賃、建設資材、住宅建設労働力に対する地域的な上方圧力は想定されるが、全国的な影響は限定的となるだろう」という見方を示した。
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ゴールドマン・サックスのエコノミストは、復興活動によって相殺されないと仮定した場合、第1・四半期の成長率は0.2%ポイント押し下げられると予想する。
1月の雇用は1万5000─2万5000人減となる公算が大きいとも予想。ただ昨年12月の雇用が25万6000人増になったことを踏まえると、比較的控えめな減少と言える。また、失業保険申請件数が即時に押し上げられることは見込んでいないとした。
モルガン・スタンレーのアナリストも、雇用が2万─4万人減少するほか、インフレは小幅上昇すると予想した。