Matthew Boesler
- 12月の生産者物価指数、前月比0.2%上昇-市場予想0.4%上昇
- PCE価格指数算出に使われる項目はまちまち-航空運賃は高い伸び
昨年12月の米生産者物価指数(PPI)は、前月比の伸びが予想外に鈍化した。食品コストの低下やサービス価格の横ばい推移が寄与した。根強い物価圧力を巡る懸念緩和に寄与する可能性がある。
キーポイント |
---|
・PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%上昇 ・エコノミスト予想の中央値は0.4%上昇 ・11月は0.4%上昇 ・前年同月比では3.3%上昇 ・市場予想は3.5%上昇 ・11月は3.0%上昇 |
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比横ばい。予想は0.3%上昇。11月は0.2%上昇。前年同月比では3.5%上昇。予想3.8%上昇、11月は3.5%上昇だった。
ただ、前年同月比の伸びは総合・コアともに2023年2月以来の大きさとなった。
US Producer Prices Restrained by Flat Services Costs
Food prices also fell in December as energy prices advanced
Source: Bureau of Labor Statistics
15日には12月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。堅調な需要に加え、トランプ次期政権が輸入品への関税引き上げを警告していることから、投資家や消費者のインフレ期待はここ数週間に上昇している。
関連記事:米消費者1-3年先インフレ期待が上昇、5年先は低下-NY連銀 (1)
エコノミストがPPIに注目するのは、いくつかの項目が個人消費支出(PCE)価格指数に反映されるためだ。米金融当局は同価格指数を物価指標として重視している。
これらの項目は強弱まちまちだった。病院での診療は前月比横ばいで、医師による診療費やポートフォリオ管理サービスは小幅な伸びにとどまった。一方、航空運賃は22年3月以来の高い伸びを示した。
24年終盤での頑固なインフレおよび底堅い雇用市場を背景に、米金融当局は今年の利下げ予想を後退させた。
食品価格
食品価格は前月比0.1%低下。野菜が15%近く値下がりした。卵の価格は0.5%上昇。11月には鳥インフルエンザの広がりを要因に、56%近く急騰していた。エネルギー価格は3.5%上昇。
財の価格は0.6%上昇(11月は0.7%上昇)。食品とエネルギーを除いた財価格は横ばい。
サービス価格は横ばい。マージンの低下を反映した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Wholesale Inflation Surprisingly Eases on Drop in Food Prices(抜粋)