▽プーチン氏、ウクライナのNATO加盟可能性消滅を要求へ-関係者<bloomberg日本語版>2025年1月16日 1:08 JST

  • 要求はNATOとの大幅な軍事関係縮小、軍事能力制限、中立国化
  • クリミア含む占領地継続支配もロシアの条件、トランプ氏との交渉で

ロシアはトランプ次期米大統領と交渉を行う場合、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)との軍事関係を劇的に縮小し、軍事能力が制限された中立国となることを要求する。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  戦闘での優勢にますます自信を深めているプーチン氏は、ウクライナがNATOに加盟する可能性を完全になくし、同国の軍事能力に制限を課すという自身の目標を断固達成する決意だと、ロシア大統領府の意向に詳しい関係者は説明。関係者は取り扱いに注意を要する情報を話しているとして、匿名を要請した。

  今後の交渉に対するロシア側の準備状況を知る関係者の1人によると、NATOに加盟する個別の国が二国間の安全保障協定に基づきウクライナに兵器を供給し続けるとしても、その兵器がロシアに対して、あるいは領土奪回の目的で使用されることがあってはならない、というのがロシアの立場だ。

  ロシアの全面侵攻から丸3年に近づく中で、このような強硬な要求がウクライナの指導者にとって受け入れがたいものであることはほぼ確実だ。プーチン氏の姿勢は、戦争を可及的速やかに終わらせたいと公言するトランプ氏の意向に反してもいるが、ロシアに交渉の余地を残そうとしている可能性もある。

RUSSIA-POLITICS
クリミアとセバストポリの社会経済発展に関するビデオ会議を主宰したプーチン氏(14日、モスクワ近郊=ロシア国営通信スプートニクが配信)Photographer: Alexander Kazakov/AFP/Getty Images

  ウクライナとロシアはカタールで、原子力施設が攻撃対象とならないようにするルールを巡り限定的な交渉を行っていると、ロシアの交渉準備状況に詳しい関係者は述べた。

  この交渉について知るウクライナ政府の当局者は、両国間の交渉は捕虜交換と連れ去られた子供の帰還だけに現在は限定されていると語った。

  関係者によると、ロシアは2014年に一方的に併合を宣言したクリミアを含む、現時点で占領するウクライナの領土の約20%を継続支配することも要求している。ただ、一部の領土交換に応じる意思はあるという。

  ロシア大統領府はコメントの要請にすぐには応じなかった。

原題:Putin Would Demand Ukraine Never Join NATO in Any Trump Talks(抜粋)

関連情報

▽ウクライナ和平「就任初日」公約は誇張、トランプ氏側近が認める<ロイター日本語> 2025年1月15日 · · 午後 6:07 GMT+9

▽ウクライナで緊急停電、ロシア軍の大規模ミサイル攻撃受け<ロイター日本語版>2025年1月15日午後 4:10 GMT+9

▽EU、ロシア産アルミ禁輸提案へ 制裁第16弾で=外交筋<ロイター日本語版>2025年1月15日午前 10:36 GMT+9