カナダ、トランプ関税に対抗措置へ 1500億カナダドル規模=関係筋

[オタワ 15日 ロイター] – カナダ政府はトランプ次期米大統領がカナダ産の製品とサービスに関税をかけた場合、米国からの輸入品最大1500億カナダドル(1050億米ドル)相当に対抗措置を取る可能性があると、関係者が15日に明らかにした。

カナダは対抗措置の対象リストを作成しており、関税発動前に公開の場で協議をする見込み。また、対抗措置の規模は米側の対応次第で変わるという。

関係筋によると、トルドー首相は州首相と会談し、米関税への対応や報復関税の対象品について協議した。

トランプ氏は、カナダが国境警備を強化し、米国への不法移民流入やフェンタニル(合成麻薬)密輸を阻止するよう、25%の関税を課す考えを示しているが、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に違反するとみられる。

カナダ産製品・サービスは約75%が米国向けで、トランプ氏が関税を発動すればカナダにとっては深刻な打撃となる。

関係筋は対抗措置案について3つに分類されると説明。トランプ氏が関税措置を実行すれば、同氏の邸宅があるフロリダ州産のオレンジジュースなど少数の品目を直ちに関税を課すという。

トルドー氏は州首相らとの会談後、「米国が今後も厳しい関税を選び続ける限り、いかなる選択肢も排除できない」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

一方、会談に参加したアルバータ州のスミス首相は、カナダ産石油の輸出制限案に反対すると述べ、その後公表された共同宣言に署名しなかった。

共同宣言では、カナダ政府が報復措置を講じる場合、米関税による損害を相殺するため、国内の労働者と企業に直ちに資金提供するとしている。