Adveith Nair、Mark Bergen

  • アブダビのMGX、「スターゲート」に70億ドル投資計画
  • UAE安保顧問が統括するMGX、AI先進国目指すUAEで存在感

トランプ米大統領は就任早々に巨額の人工知能(AI)投資計画を発表した。この計画を主導するのはソフトバンクグループオープンAIオラクルの3社。さらにほぼ無名の投資企業、MGXだ。

  アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の投資会社であるMGXは、世界でも特に影響力あるディールメーカーの1人、シェイク・タフヌーン・ビン・ザイド・ナハヤン氏が統括している。同氏はUAEの国家安全保障顧問であるだだけでななく、大統領の兄弟でもある。手掛ける資産はウェルスファンドから中東随一のAI企業G42に至るまで、総額1兆5000億ドル(約230兆円)規模に上る。

Sheikh Tahnoon bin Zayed Al Nahyan
シェイク・タフヌーン・ビン・ザイド・ナハヤン氏Photographer: Atta Kenare/AFP/Getty Images

  MGXの設立は昨年3月。アブダビの政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントとG42を設立パートナーとし、最終的には1000億ドル超の資産規模が目標だ。UAEがAI先進国を目指す中で、MGXは重要な存在として台頭している。

  ジ・インフォメーションが報じたところによると、MGXはソフトバンクGら3社によるAIインフラの合弁事業「スターゲート」に約70億ドルを投じる計画だ。

  MGXの担当者はコメントを避けた。

  同社はオープンAIに資金を投じているほか、データウェアハウスおよびエネルギーインフラ構築計画で300億ドルの調達を目指し、ブラックロック、マイクロソフトと手を組む。さらにイーロン・マスク氏のAIスタートアップ、xAIにも投資。世界で最も企業価値の高い非上場テクノロジー企業の1社とされるデータブリックスにも出資している。

  アブダビは世界の原油埋蔵量の6%を保有するが、石油依存からの脱却を図り、経済の多様化を急ぐ。医療や金融といった分野への投資が主要な戦略の柱だが、AIも中核の一つになりつつある。

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原題:Abu Dhabi’s MGX Helps Bankroll Trump’s $100 Billion AI Plan(抜粋)