内田良治

  • 委任状争奪戦を仕掛け、日本製鉄との合併断念を迫る構え
  • CEO退任と訴訟取り下げを要求する議案への支持を集めたい意向

アクティビスト(物言う投資家)として知られるアンコラ・ホールディグスは、米鉄鋼大手USスチールの株主総会で、委任状争奪戦を仕掛け、日本製鉄との合併断念を迫る構えだ。事情に詳しい複数の関係者から情報を引用し、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

  日鉄はUSスチール買収中止命令の無効を求め、バイデン前米大統領らを今月提訴した。

  同紙によれば、アンコラはUSスチールのデービッド・バリット最高経営責任者(CEO)の退任と訴訟取り下げを要求する議案を巡り、株主の支持を集めたい意向だ。別の買い手へのUSスチール売却を進めることには、関心がないという。