衆院予算委員会は30日午前、自民党の派閥パーティー収入不記載事件に関与し、有罪判決を受けた旧安倍派会計責任者の参考人招致を賛成多数で議決した。自民は反対したが、公明党は採決に加わらなかった。参考人招致は全会一致による決定が原則だが、衆院によると、衆院予算委で参考人招致を多数決で議決したのは51年ぶり。
議決を受け、安住氏は旧安倍派会計責任者に2月10日の衆院予算委への出席を要請する考えを記者団に明らかにした。出席するかどうかは任意のため、本人が拒否すれば実現しない。
参考人招致の議決は全会一致が原則。田中角栄政権下の昭和49年、物価問題を巡り石油会社社長らの予算委への招致を多数決で決めた時以来となった。
衆院予算委の井上信治・与党筆頭理事(自民)は反対した理由について、会計責任者が民間人であり、裁判の判決も出ていることをあげ、記者団に「大変遺憾だ。人権尊重、三権分立の観点からも参考人招致すべきではない」との認識を示した。「全会一致の慣例を半世紀ぶりに破ることになった。これから予算審議が始まるが、数の力による議事運営は慎んでほしい」と訴えた。
一方、公明の西田実仁幹事長は、公明が採決に加わらなかった理由について「多数決による民間人の参考人招致に、反対の意思を明確にするためだ」と述べた。また、議決の実施は全会一致が原則にもかかわらず、予算委の安住淳委員長(立憲民主党)の提案で行われたことにも言及し「諸先輩が築いてきた大事な国会の慣例を破ったという意味で遺憾だ」と強調した。
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