アメリカのトランプ政権で政府支出の削減策を検討する組織のトップを務める実業家のイーロン・マスク氏は、海外援助を管轄する国務省傘下のUSAID=アメリカ国際開発庁について、トランプ大統領が閉鎖に同意したと明らかにしました。
アメリカのトランプ政権で政府支出の削減策を検討する組織、DOGE=「政府効率化省」のトップを務めるマスク氏は3日、SNSの音声配信機能で、海外で援助活動を行うUSAIDについて、運用が不透明だなどという認識を示しました。
そしてトランプ大統領と協議し、「彼も閉鎖すべきだということに同意した。『本当にいいのか』と何度も確認したが『イエス』と言ったので、閉鎖する」と述べ、トランプ大統領がUSAIDの閉鎖に同意したと明らかにしました。
これに先だって、トランプ大統領は2日、記者団に対して「USAIDは過激な愚か者によって運営されている。彼らを排除し、その後どうするか判断する」と述べていました。
一方、マスク氏は「必要な組織であれば一から作るべきだ」とも述べています。
トランプ政権は、すでに海外援助について人道支援など一部を除き見直しを行うため停止していますが、USAIDはエイズ対策や紛争地での支援など世界各地で幅広く人道支援を行っているだけに波紋が広がりそうです。
ルビオ国務長官「外交方針に沿ったかたちで機能は継続」
アメリカのルビオ国務長官は3日、訪問先の中米のエルサルバドルで記者団に対し、自身がUSAIDのトップの代理を務めることになったと明らかにしました。
ルビオ長官は、「USAIDの多くの機能は今後も継続される。ただ、アメリカの外交方針に沿ったかたちでなければならない。寄付金ではなく税金を使っているのだ」と述べました。