国会外で行われた衆院予算委の参考人聴取。手前が自民党安倍派の会計責任者(当時)の松本淳一郎氏の席。奥左から3人目は安住淳委員長=東京都内のホテルで2025年2月27日午前7時51分(代表撮影)
国会外で行われた衆院予算委の参考人聴取。手前が自民党安倍派の会計責任者(当時)の松本淳一郎氏の席。奥左から3人目は安住淳委員長=東京都内のホテルで2025年2月27日午前7時51分(代表撮影)

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、衆院予算委員会は27日、東京都内のホテルで、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏から参考人聴取した。旧安倍派から所属議員へのキックバック(還流)が再開された経緯が焦点。松本氏は聴取に対し、還流再開を働きかけた議員がいたことを認めた上で名前は明かさず、「今は現職でないと思う」と説明した。

 参考人聴取は非公開で、予算委の安住淳委員長や与野党理事らが参加。終了後、安住氏が記者団に概要を説明した。Advertisement

自民党派閥裏金事件で還流再開を巡る説明の食い違い
自民党派閥裏金事件で還流再開を巡る説明の食い違い

 旧安倍派では2022年4月、当時会長だった安倍晋三元首相がパーティー券販売ノルマの超過分について還流中止を指示した。しかし、安倍氏は同年7月に銃撃されて死亡。翌8月、派閥幹部だった塩谷立元文部科学相、下村博文元文科相、西村康稔元経済産業相、世耕弘成前党参院幹事長の4人が再開について協議したとされる。

 安住氏の説明によると、松本氏は還流について「再開をしたらどうだと話をしてきた幹部がいたことは事実だ」と説明。再開を持ちかけた議員について、松本氏は「名前は言えない」としつつ、「今は現職でないと思う」と話したという。

 4人のうち現職ではないのは塩谷氏と下村氏の2人。

 松本氏は自らが有罪判決を受けた一方、幹部らの刑事責任が問われていないことについては「仕方がないという気持ちはあるが、複雑な気持ちである」と答えた。

 松本氏は自らの公判で、22年7月末に「幹部議員から『ある議員が還付(還流)の復活を求めている』と言われた」と説明。8月に塩谷氏ら4人が協議し、還流復活について「やむなしという結論に至った」と語った。一方、衆参両院の政治倫理審査会で下村氏らは「結論が出なかった」と主張するなど見解が食い違っている。【池田直、大場弘行】

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