Josh Wingrove

  • 取得資格に関する審査基準は協議中、対象個人に一定のルールは存在
  • トランプ氏「飛ぶように売れるだろう」、企業は歓迎すると予想

トランプ米大統領は26日、富裕層を移民として呼び込むことを狙った「ゴールドカード」ビザ制度について、米企業が採用に利用できると明らかにした。アイビーリーグなど米有力大学の学生が卒業後も米国にとどまることを支援するため、企業側はカードを購入できると説明した。

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  「企業からの電話で、採用したいのは大学で成績トップの学生だとの話を聞いている。こうした学生はインドや中国、日本など、さまざまな国から来ており、ハーバード大学や(ペンシルベニア大学ウォートン・スクール、エール大学などに進学している」と、トランプ氏は2期目就任後初めて開催した閣議の冒頭で述べた。

  一部の学生は移民ステータスが不透明であることが原因となり、米企業は優秀な人材の採用や確保に苦戦しているとの考えを示し、「これらの企業はゴールドカードを購入し、採用活動の一環として利用することができる」と話した。

  また企業は歓迎するとの見方を示し、「飛ぶように売れるだろう。お買い得だ」と続けた。

  ゴールドカードの取得資格に関する審査基準については、現在も協議中だという。中国など米国のライバル国に制限が設けられるのかとの記者団の質問に対しては、制限は国籍に焦点を当てたものではないかもしれないが、参加可能な対象個人に関してルールは依然として存在すると指摘。「米国を愛し、愛する能力のある人々を確保したい」と語った。

  ゴールドカードは、500万ドル(約7億4500万円)を支払う投資家に対して米国での居住権を付与し、市民権取得への道を開くプログラムだ。2週間以内に開始される見込みで、議会の承認を得る必要はないとトランプ氏は主張。また同プログラムを通じて得た資金を債務返済に充てることができると述べている。

  この日の閣議では、100万枚のゴールドカードを販売すれば5兆ドルを集めることができるとトランプ氏は発言したが、移民問題の専門家は、同プログラムに参加できる金銭的な余裕のある個人の数ははるかに少ないと指摘している。

原題:Trump Says Firms Can Use Gold Cards to Hire Ivy League Grads (1)(抜粋)