▽【やり取り全文・前編】トランプ氏 ゼレンスキー氏 なぜ口論に<NHK>2025年3月2日 3時46分
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【会談冒頭の発言は】
トランプ大統領
「ウクライナのゼレンスキー大統領を迎え入れることができ光栄だ。われわれはとても近い関係で、ともに頑張ってきた。実際に私たちは長いあいだ互いを知っており、長いあいだ互いに話し合ってきた。交渉では小さな衝突はあったが、うまくやってきた。これは両国にとってそれ以上に世界にとってよいことだ。
われわれは非常に公平な取り引きをする。掘って掘って掘ってレアアースを手に入れることを楽しみにしている。一方で、そのことはアメリカが(ウクライナの)内部に入り込み大きく関与することを意味する。ともに協力できることに非常に感謝するとともに、これからも継続していく。
ロシアとは非常によい話し合いを行ってきた。プーチン大統領と話し、この件(ウクライナ侵攻)について終わらせようとしている。これは、あなたも彼も望んでいることだ。われわれは合意に向けて交渉しなければならないが、ある程度の交渉は始まっていて何かが起こる可能性はあると思う。現時点での大きな問題は殺された兵士の数で、双方とも何千人もの兵士を失っている。
われわれはこの状況を終わらせたい。そして、再建のような別の用途で資金が使われることを望んでいる。われわれは懸命に取り組もうと非常によい話し合いを多くしてきた。しかし私たちが登場するまでバイデン政権はロシアと話をしてこなかった。誰とも話をせず、ただ放置していた。
私のこの発言を何千回と聞いてきたと思うが、私が大統領だったらこの戦争は決して起こらなかっただろう。皆さんが経験してきたことを経験することなく、あなたたちのために交渉していただろう。
兵士たちは信じられないほど勇敢で、私は大いに称賛する。われわれは彼らに装備を与えたが誰かがその装備を使わなければならない。彼らは、信じられないほど勇敢だった。われわれは彼らを大いに称賛する。この侵攻はすぐに終わるはずだったが、3年たった今もまだ、戦争は続いている。だから私は、将軍たち、兵士たちそして皆さんを大いに評価する。非常に厳しい戦いだった。すばらしい兵士たちだ。こうした観点からあなたは(ゼレンスキー大統領は)彼らをとても誇りに思うべきだ」
ゼレンスキー大統領
「誇りに思います」
トランプ大統領
「でももう終わりにしたい。もう十分だ。もう終わりにしたい。だから聞いて頂いて光栄だ。来てくれてありがとう。まもなくイーストルームで会議を開き、合意書に署名する。昼食後に。私たちは、これからランチをとる。また、ほかのことについても話し合う。
ここに来てくれた皆さんに感謝する。胸が躍る瞬間だが、本当に胸が躍る瞬間は彼らが銃撃を止め、合意に至ったときだ。そして、われわれはその合意にかなり近づいていると思う。ゼレンスキー氏に来ていただけて光栄だ。話したいことがあればどうぞ」
ゼレンスキー大統領
「大統領、ありがとう。招待していただき、ありがとう。この文書がウクライナの真の安全保障への第1歩となることを心から願い期待している。われわれの国民や子どもたちのために。
アメリカが支援を止めないことにも期待している。われわれにとって支援の継続は非常に重要だ。インフラや安全保障など詳細についても話し合いたい。なぜならば私はヨーロッパが何をする準備が出来ているかについて理解しているし、もちろんアメリカが何をする準備が出来ているかについても話し合いたい。
そしてプーチン大統領を止めるためにあなたが強い姿勢であることを期待している。あなたは「戦争はもうたくさんだ」と言った。この戦争がプーチンにとって始まりの段階であるということが非常に重要だと思う。なぜならば彼は殺人者でありテロリストだからだ。しかし、私は力を合わせれば彼を止めることができると願っている。われわれにとって、私たちの国、価値観、自由と民主主義を守ることが非常に重要で、もちろん、私たちの領土について殺人者に対し妥協することはできない。しかし、それはもっとあとでの話だ。
もちろんドローンの製造についても電話で話をした。戦争により、われわれは世界でもトップレベルの非常に優れた無人機を製造している。また防空体制も非常に必要で、世界トップの防空能力を持つアメリカはロシアの攻撃から本当にわれわれを助けてくれた。どのようにしてライセンスを交換できるかについても話したい。われわれは、すべての無人機のライセンスをアメリカを含む皆さんと共有する用意がある。防空システムの迅速な製造のためには許可が必要だ。戦争が終わってからもウクライナは穏やかで安全な国でなければならない。そのために防空システムが必要だ。
そしてもちろん不測の事態についても話し合いたい。フランスとイギリスとはすでに話をしたと思うが、ヨーロッパは準備ができている。ただ、アメリカ抜きの場合は、われわれが必要とするほど強くなる準備はできていないだろう。
そして最後のポイントは、子どもや人々の交換だ。ロシアは2万人のウクライナの子どもたちを誘拐し名前を変え、家族や親戚を変えた。彼らはロシアにいる。われわれは彼らを連れ戻したい。それは大きな大きな夢であり、課題であり、目標だ。
ところで、トランプ大統領、われわれはロシアの刑務所から4000人以上の戦士を釈放したが、刑務所にはさらに数千人がいる。私はあなたにいくつかの画像を共有したいが、今できるか。
1分、1分、1分だ。彼らがどのような状況にありロシアの態度がどのようなものであるか、理解してもらえると思う。
捕虜になる前と後(の写真)だ。何千人ものこのような女性や男性の捕虜が、食事も与えられず、殴られ、多くの悪いことをされている。戦争中でさえも、ルールがある。誰もが知っている。戦争中でもルールはある。彼らはルールを守らない。子どもたちの写真は悲惨でお見せしたくなかったが、皆さんに共有する。悲惨な光景だ」
トランプ大統領
「とてもつらいことだ」
ゼレンスキー大統領
「皆さんにぜひお見せしたかった。
ちなみにこれは聖職者。彼らは聖職者を誘拐した。ロシアの教会ではないからだ。彼らは聖職者を誘拐し、収容所に移した。昨年末、われわれは(ロシアの)3人の聖職者を連れてきた。私たちは彼らと交換することができた」
トランプ大統領
「そうだな、大変なことだ」
ゼレンスキー大統領
「だから皆さんにお見せしたかった。本当にありがとう」
トランプ大統領
「われわれはそれを終わらせたい、ということだよな?」
ゼレンスキー大統領
「もちろん、もちろん」
トランプ大統領
「そうなると思う。そうなると思う」
ゼレンスキー大統領
「もちろん、そうしなければならない」
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▽【やり取り全文・中編】トランプ氏 ゼレンスキー氏 なぜ口論に<NHK>2025年3月2日 3時47分
アメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が28日、日本時間の1日未明に会談し、激しい口論となり、予定していた鉱物資源の権益をめぐる合意文書への署名が見送られました。首脳会談でかえって対立が深まる異例の事態となり、ウクライナでの停戦に向けた交渉への影響は避けられないものと見られます。
今回の会談のやり取りについて、トランプ大統領とゼレンスキー大統領、それぞれの発言の全文を前編・中編・後編で詳しくお伝えします。
【記者からの質問も】
記者
「アメリカはきょう設立される基金にいくら投入するつもりか。またこれはウクライナの長期的な安全保障にどうつながるのか?」
トランプ大統領
「正確な金額はわからない。なぜなら、われわれが手に入れたレアアースの収益の一部を分配し基金に入れるつもりだからだ。レアアースの使用や販売から得られる利益はばく大なものとなるだろう。
ご存じのように、アメリカにはレアアースがあまりない。石油やガスは多くあるが、レアアースはあまりない。われわれの土地は環境保護の活動家により保護されているものがあり、ただ、保護されていないものもあるかもしれない。しかし、それでも決して多くはない。
(ウクライナの)レアアースの豊富さは世界でもトップクラスだ。われわれはそれを利用し、AIや兵器、軍事などのあらゆることに利用し、われわれのニーズを満たすことができる。これは本当にうまくいった。石油もガスもたくさんあるが、レアアースはない。そのため、コンピューターなどわれわれが行うあらゆることに必要なレアアースのほぼすべての成分が含まれ、われわれを素晴らしい状態にしてくれる」
記者
「ウクライナの長期的な安全保障については?」
トランプ大統領
「一度、合意が成立すれば、95%は達成できるだろう。彼らは再び戦闘には戻ることはない。
私はプーチン大統領と話をし、非常に強く感じているのは私は彼のことを長い間知っているが、彼らはとても真剣に取り組んでいるということだ。われわれは合意を結ぶだろう。そして合意が成立したらわれわれは安全保障のことを話すが、彼らが話すのは安全保障の事ばかりだ。
私は『まず合意を結ばせてほしい。はじめに合意を結ばなければならない。今は安全保障のことは心配していない。合意を結ばなければならない』と言った。なぜなら、先週、双方で2000人の兵士が亡くなったからだ。2000人だ。そして1週間に1000人、2000人、3000人が亡くなっている。われわれがここに座って話している間にも、戦場では人々が撃たれ死んでいる。彼らはアメリカ兵ではないが、ロシア兵とウクライナ兵だ。われわれはそれを阻止できるようになりたい。
そして、他のことに資金を使いたい。これはばく大な金額であり、バイデン政権のやったことはひどいものだった。彼らは資金を与えたが、彼にはその資金に対する保証がなかった。ご存じのように、ヨーロッパははるかに少ない金額しか提供しなかったが、保証はあった、融資という形で。彼らは金を取り戻したが、われわれはそうではなかった。
しかし今、少なくともわれわれは守られている。なぜなら、アメリカの納税者も守られなければならないからだ。これはウクライナにとって素晴らしい合意だ。なぜなら私たちはいま彼らの国に多額の投資をしている。彼らが持っているものはごく少数の人しか持っていないものであり私たちは兵器類を含む非常にハイテクなものなどを製造していくことができる。多くの場所で使われるだろう兵器は、われわれの国にとって必要となるだろう。この合意により、われわれはそれを実行できる」
ゼレンスキー大統領
「ビジネスと投資について話すとなると、文章には非常に重要なポイントが1つある。ウクライナにはLNGターミナルがある。この文書は次の文書に続くが、その枠組みの中で、LNGターミナルにとって本当によい取り引きがあることが分かる。これはわれわれにとって非常に重要で、ヨーロッパ大陸の安全保障にとっても重要だと思う。ウクライナには欧州最大のガス貯蔵施設があり、LNGに利用することができる。
本当に、欧州はわれわれを助けてくれたので、われわれも欧州の役に立ちたい。トランプ大統領は、支援が少なかったと述べたが、欧州は友人であり、非常に協力的なパートナーだ。本当に多くの支援をしてくれた。大統領、本当にそうだ」
トランプ大統領
「じゃあ、私の支援はより少なかったのかな」
ゼレンスキー大統領
「いいえ」
トランプ大統領
「はるかに少なかったの」
ゼレンスキー大統領
「いいえ、いいえ」
記者
「トランプ大統領、あなたはウクライナとの合意を歴史的なものと言っている。世界の歴史の中で、どの位置を占めたいと考えているのか?あなたは著名な歴史上の人物たちの仲間に加わるのか?」
トランプ大統領
「そうだ。ジョージ・ワシントン、エイブラハム・リンカーンかな。ジョージ・ワシントンやエイブラハム・リンカーンよりはるかに優れていると言える。冗談だってことは分かっているよね?私がそんなことを言えば、フェイクニュースがひどく怒るだろう。彼らは『彼はワシントンより優れていると考えている』と言うだろう。でも、あなた方には分からない、分からない。
私は誰とも自分を比較しない。私は仕事をするためにここにいる。素晴らしい35日間、何であれそうだったかもしれない。1か月、あるいは1か月ちょっとの間、われわれは非常に多くのことを成し遂げた。
それだけではない。戦争を停止し、正常化に戻すことができれば、これは非常に大きな成果となる。私は、それは実現するだろうと思う。
ご存じのように、両陣営で非常に建設的な話し合いが行われた。しかし、30日間で成し遂げたことをすべて見れば、全般的に非常によい仕事ができた。大統領就任後、最初の1か月間について、これほどまでに充実した月はかつてなかったと言われている。そして、これは非常に重要なことのひとつだ。これは私にとって最も重要なことのひとつだ。なぜなら、われわれが話している間にも、途方もない負債が生まれているからだ。私はそれを望んでいない。ロシアやウクライナにいるかどうかに関わらず、必要もなく殺されている人々の両親のことを考えてほしい」
ゼレンスキー大統領
「彼らはわれわれの領土にやって来た」
トランプ大統領
「これは決して起こるべきではなかった。私が大統領であれば、これは決して起こらなかっただろう」
記者
「アメリカがウクライナとこの合意を結んだ後も、ウクライナへの軍事支援を継続するのか?ゼレンスキー大統領、アメリカがあなたの味方だと感じているか?現時点でトランプ大統領があなたの味方だと感じているか?」
ゼレンスキー大統領
「どう思う?」
トランプ大統領
「彼は知りたいと思っている。あなたはどう思うか?愚かな質問かもしれないが、私がここにいないのであれば、私たちはここにいないだろう」
ゼレンスキー大統領
「私は、占領の当初からアメリカはわれわれの味方だと思っている。そして、トランプ大統領もわれわれの味方だと思う。アメリカとアメリカ大統領は支援を止めることはないだろう。これはわれわれにとって極めて重要だ。
大統領は国民や戦死した兵士について語るが、彼らは(ロシア)われわれの領土、土地に来た。彼らがこの戦争を始めた。彼らは止めなければならない。これは本当に最も重要な問題だ。
そうだと希望するが、トランプ大統領は、ほかの同盟国とともにプーチンを止め、この軍をわれわれの土地から撤退させることができるだろうか。そして、歴史について質問したと思うがトランプ大統領がプーチンを止め、ウクライナに平和をもたらすことができるかどうか」
トランプ大統領
「非常に、非常によい話し合いができた」
記者
「ゼレンスキー大統領は先ほど、プーチン大統領に妥協することはないと言った。2人に聞くが、ゼレンスキー大統領が妥協しなければならないことがあると思うか。また、ゼレンスキー大統領、例えば選挙など何か提案できることはあるか」
トランプ大統領
「妥協なしに取り引きをすることはできないため、常に妥協しなければならないと思う。なので、彼もなにか妥協しなければならないが、一部の人が考えるほど大きな妥協にならないよう願っている。それがすべてだ。それがわれわれにできるすべてだ。
非常に敵対的な2つの当事者間の仲裁人としてここにいる。控えめに言って。彼らは非常に敵対的だった。これは残忍な戦争だった。残忍な戦争だった。ご存じのように、銃弾が飛んでいく戦場で、銃弾を止められるのは人間の体だけだ。そして、われわれは多くの銃弾を止めている若者について話している。危険な水準だ。素晴らしい農地、土地。素晴らしい土地だ。しかし、銃弾や銃撃などから身を守るすべはほとんどない。
私にできるのは、全員をテーブルに着かせ合意を得られるかどうか見極めることだ。そして、最終的には合意に達すると思う。そうでなければ、私はきょうここにいないだろう」
記者
「大統領は最終的に遺産として新たな戦争に導いた大統領ではなく、ピースメーカーとして残ると思うか」
トランプ大統領
「そうなることを願っている。私はピースメーカーとして記憶に残ることを望んでいる。これが実現できれば素晴らしい。私はまず、人の命を救うためにこれをやっている。何よりもだ。2番目は多額のお金を節約することだが、私はそのことよりはるかに重要だと考えてきた。だから私はピースメーカーとして認識されることを願っている。
解決できれば素晴らしいことだ。現状は非常に危険な状況だ。これは第3次世界大戦につながる可能性がある。間違った方向に向かっていた。われわれがもしこの選挙に勝っていなかったら。われわれは大差で勝ち、負託を受けた。すべての激戦州で勝利し、一般投票で何百万票も獲得した。皆さんが見た地図の赤いすべての場所で勝利した。これは大きな負託を受けたということだ。私は、われわれがこの問題を解決しようと述べた。もし勝てなかったら、これは第3次世界大戦につながる可能性があり、それはよい状況ではなかっただろう。
2番目の質問は何?」
記者
「2つ目の質問はゼレンスキー大統領に。なぜスーツを着ないのか?あなたはウクライナの最高職に就いているのに、スーツの着用を拒否している。スーツをお持ちではないのか?。多くのアメリカ人が、あなたがこの職を尊重していないことを問題に感じている」
ゼレンスキー大統領
「戦争が終わったら、その衣装を着るつもりだ。たぶん君たちのようなものかな?。もしかしたらもっと良いものになるかもしれない。わからない。見てみよう。もしかしたらもっと安いものになるかもしれない。ありがとう」
記者
「和平が実現しない場合でも、ウクライナに武器を送るつもりか?」
トランプ大統領
戦争を終わらせて、ほかのことに取り組めるようになることを期待している。
しかし、合意には非常に感謝している。なぜなら、われわれは彼らの持つものを必要としていたし、わが国は今、公平に扱われているからだ。バイデンはそんなことはしなかった。自分がいったい何をやっているのか分かっていなかった。こんなことは決して起こるべきではなかった。決して始まるべきではなかった。答えはイエスだ。しかし、早く戦争を終わらせたいので、うまくいけばあまり多くを送る必要がないだろう」
記者
「大統領、安全の保証は提供していただけるか?」
トランプ大統領
「私はまだ安全保障について話したくない。なぜなら、私はこの取り引きを成立させたいからだ。君はほかの人たちと同じわなにはまっている。何度も何度も同じことを言っている。私はこの取り引きを成立させたい。安全保障はとても簡単だ。問題の2%程度だ。私は安全保障について心配していない。
私はこの取り引きを成立させることについて心配している。安全保障は簡単な部分だ。安全保障はすばらしい。誰もが銃撃をやめる。そして今、ヨーロッパ各国はそこに人々を配置するつもりなのか?フランスはそうだろう。イギリスもそうするだろう。ほかの国々もそうするだろうし、それらの国々はたまたますぐ隣にある。私たちはまだ約束していないが、おそらくそうするだろう。
私たちは別の形での安全保障を持っている。私たちはそこで労働者に掘らせ、掘らせ、掘らせ、レアアースを採取させ、この国で多くのすばらしい製品をつくり出す。そういう意味では何かはあるが、まだ決定したわけではない。
フランスと話したところ、彼らは先日、ここに来ていたが、彼らは多くの安全保障を約束している。私は、あなたがそれほど多くの安全保障は必要ないだろうと考えている。この取り引きが成立すれば、それで終わりになるだろう。
ロシアは後戻りしたくないだろうし、誰も後戻りしたくないだろう。この取り引きが終了すれば、本当にこの取り引きは終わるだろう」
記者
「ロシアと再び関わる勇気と道徳的信念はどこから得たのか?」
トランプ大統領
「私はその質問が好きだ。非常によい質問だと思う。
それは平和への道筋だ。何かを解決する道筋だ。そして、この国のトップとして、私はそれをやる義務があると感じている。それに、深く関与しており、関与し続けている。戦争などすべきではなかったし、関与すべきではなかったから関与したことは残念だ。10月7日など起こるはずがなかったのだ。決して起こらなかっただろう。ご存じのように、イランは破産していた。ヒズボラにもハマスにも渡す金などなかったのだ。彼らは完全に破産していた。そして、バイデンの下で、彼らは途方もなく裕福になった。彼らは4年間で無一文から3000億ドルを手に入れ、その多くを手放した。
そして、何が起こったか分かるか。それもわれわれが解決を願っている混乱だ。しかし、私は死を食い止めようと何かをしなければならない義務を感じている」
ゼレンスキー大統領
「すみません、私も答えますよ」
トランプ大統領
「ところで、あなたの服装を気に入っている」
ゼレンスキー大統領
「私はより重要なこと、できればより真剣な質問に答えたい。安全の保証と停戦についてだ。停戦について話すばかりではだめだ。それではうまくいかない。単に停戦だけでは決してうまくいかない。なぜなら、私は経験があり、私だけではない。私が大統領になる前のウクライナで、プーチンは25回も停戦を破った」
トランプ大統領
「彼は私には約束を破らなかった」
ゼレンスキー大統領
「いいえ。その時、あなたは大統領ではなかった。当時の大統領はわれわれ側と会談し、フランス、ドイツ、ウクライナ、そしてロシアの間で正式な会談をした。しかし彼はそれを25回破った。だからこそ、私たちは停戦だけを受け入れることは決してない。
安全の保証がなければ機能しない。安全の保証について、大統領はこれらの文書について問題ないかもしれないが、これらの文書だけでは十分ではない。強い軍隊があれば十分だ。なぜなら、プーチンの兵士たちは強いわれわれの兵士たちを恐れている。われわれがもし十分に強くなく、備えもなければ、われわれは国を守ることができない。
きょう、世界中が私たちが会議をすることを知っている。なぜ彼は弾道ミサイルを使っているのか。プーチンはきょう、病院や学校などに弾道ミサイルを使った。彼はわれわれがここにいて、トランプ大統領がこの戦争を止める意思があると知っている。ではなぜ彼は弾道ミサイルを使っているのか。彼は侵攻を止めたくないからだ。しかし、私はわれわれで止めることを望んでいる。本当に私たちは止めたい。安全の保証について言えば、ヨーロッパが有事に備えるとき、アメリカの支援を必要とする。アメリカがいなければ、ヨーロッパからの強力な有事の備えは決して得られない。なぜなら彼らは、主要かつ最強の同盟国であるアメリカとのつながりを分断したくないからだ。これは極めて重要だ。
われわれは非常に多くのことを話したい。防空体制について、われわれはこれらのシステムで大きな弱点を抱えていて、とても必要としている。そうでないと、プーチンは決して止まらないだろう。そして、さらに先へ進むだろう。
彼はわれわれを嫌っている。私のことではなく彼はウクライナ人を嫌っている。彼はわれわれが国家ではないと考えている。彼はこの考えをあなた側にも共有するだろう。彼はヨーロッパのすべての人々に対して、ウクライナのような国、民族、言語、生活はないと常に言っている。彼は本当にウクライナ人を尊重せず、われわれを破壊したいのだ。
大統領、あなたは正しい。それは2%だ。この文書。おそらく他の文書も非常によいスタートだが、プーチンを止めるには十分ではない」
ゼレンスキー大統領
「これは戦争のルールだ。何世紀にもわたる歴史の中での戦争のルールだ。戦争を始めたものがその代償を払う。これがルールだ。
プーチンがこの戦争を始めたのだから、彼が修復のために全額を支払わなければならない。支払うべきだ。
もちろん、ヨーロッパにはわれわれが持つロシアの資産がおよそ3000億ドルあり、それを修復に使ったり、アメリカからの軍事支援にあてたりすることもできる。われわれにはそれができる。しかし、それだけでは十分ではない」
記者
「私はあなたが好まない質問をした。なぜなら、あなたがロシアとウクライナの中間の立場をとりたいのか、それともウクライナ側に立ちたいのかを知りたいからだ」
トランプ大統領
「いや、私は中立だ。私はこの問題を解決するつもりだ。私は両方の味方だ。私は解決したい。
誰かのことを悪く言うのもいいが、私は解決したい。もしわれわれが解決できれば素晴らしいことだ。もし解決できなければ、彼らは戦い続けなければならない。そして、何が起こるかは誰にもわからない。しかし、私は解決したい」
記者
「今後もNATOの東側で軍の駐留を続けるのか」
トランプ大統領
「私はポーランドに積極的に関与してきた。ポーランドはNATOのために本当に尽力し、すばらしい仕事をしていると思う。ご存じのように、ポーランドは必要以上に金額を支払ってきた。彼らは私が知るかぎり最もすばらしい人たちの集まりの1つだ。私はポーランドに非常に積極的に関与している。ポーランドは厳しい地域にある」
記者
「バルト諸国はどうか」
トランプ大統領
「バルト諸国も厳しい地域だが、われわれは関与している。われわれはNATOにも尽力している。NATOは進歩し、ヨーロッパ諸国はこれまで以上に進歩しなければならない。
そして、ヨーロッパがわれわれと対等になることを望んでいる。彼らはわれわれよりはるかに少ない負担しか負っていない。少なくとも対等であるべきだ。アメリカは間に海を挟んでいるにも関わらず、なぜヨーロッパよりはるかに多くの資金やその他のことを負っているのだろうか。とはいえ、あなたが言ったように、ヨーロッパも明らかにとても協力的ではある。しかし、われわれは彼らよりはるかに多くの貢献をしてきており、対等になるべきだ」
記者
「ベッセント財務長官がゼレンスキー大統領に最初に合意文書を渡したときときょう署名する合意とでは何が変わったのか」
トランプ大統領
「われわれはディールをまとめた。私はビジネスマンだ。ディールをまとめた、それが変わったことだ。ディールをまとめられるとは思っていなかったが、結局まとめることになった。だから、これを変えないでほしい」
記者
「ゼレンスキー大統領とプーチン大統領との3か国の首脳会談について、どのような構想をもっているか」
トランプ大統領
「分からない。ゼレンスキー大統領とプーチン大統領は互いを好きではない。それは確かだ。彼らは互いを好きではない。これは恋愛関係ではない。それは残念なことだ。だからこそ、このような状況に陥っているのだ。
アメリカはこのような事態を許すべきではなかった。アメリカは大して知識のない、非常に無能な人物に率いられてきたが、このような事態を許すべきではなかった。
私は戦争を止めてきた。多くの戦争を止めてきたのだ。私は誰も聞いたことのない戦争を止めてきた。戦争が始まる前に止めたからだ。今この部屋にいる誰も聞いたことがないことで戦争をしようと考えている国がある。2つの、比較的小さいがそれでも大きな国だ。
そして私はそれを阻止したと思う。これは決して起こるべきではなかったのだ」
ゼレンスキー大統領
「交渉について、まず皆さんに本当に言いたいことは、そしてすでに全員が分かっていると思うが、ウクライナ国民以上にこの戦争を止めたいと思っている人はいないということだ。
交渉については戦争の2つの側がロシアとアメリカではないことは理解できることだ。これはロシアとアメリカの戦争ではないからだ。これはロシアによる、ウクライナとウクライナ国民に対する戦争なのだ。だからこの2つの側が、いずれにせよ交渉のテーブルに着くことになる。
そしてもちろんウクライナの最強のパートナーであるアメリカ、そしてヨーロッパだ。ヨーロッパは非常に重要だと思う。
この件について大統領と話し合いたい。ヨーロッパはわれわれにとって非常に重要だ。なぜならわれわれはヨーロッパを守っているからだ。すべてのヨーロッパの人々はわれわれが防衛線を守っていることを分かっている。人々の命がかかっていて、われわれの国民は死んでいっている。だからこそヨーロッパはわれわれを助けてくれたのだ。
NATOについていえばトランプ大統領が言ったように、間には大きく素敵な海がある。しかしわれわれがとどまることができなければロシアはバルト諸国、そしてポーランドへとさらに進んでいくだろう。ロシアはまずバルト諸国に行く。なぜなら、バルト諸国は旧ソビエトの共和国の1つだったからだ。そしてプーチンは彼らを自分の帝国に連れ戻したいのだ。それが事実だ。
そしてプーチンがそこに行くときわれわれがとどまらなければあなた方が戦うことになるだろう。あなた方、アメリカの兵士たちだ。海があるかどうかは関係ない。あなた方の兵士は戦うことになるだろう」
記者
「トランプ大統領、ウクライナを訪問する気はあるか」
ゼレンスキー大統領
「それは私が聞きたかったことだ」
トランプ大統領
「私はオデーサについて今話したくない。オデーサについて話す必要はない。交渉をまとめ、平和を得ることについて話したい。多くの都市が破壊され、認識もできない状態だ。建物は1つも立っていない」
ゼレンスキー大統領
「いや、いや、いや、訪れて見てみなければならない。いや、いや、いや、ウクライナにはとてもよい街がある。
確かに多くのものが破壊されてきたが、ほとんどの街は生き残っていて、人々は働き、子どもたちは学校に通っている。時には非常に困難なこともある。
前線に近いところでは、子どもたちは地下の学校やオンラインの学校に通わなければならないがわれわれは生きている。
ウクライナは戦っている。ウクライナは生きている。これは非常に重要なことだ。
われわれを破壊したという情報を伝えているのはプーチンだろう。そうではなく、プーチンは70万もの人々、70万の兵士を失った。彼はすべてを失ったのだ。そうなのだ」
記者
「プーチン大統領と最後に話したのはいつか。プーチン大統領は何を言ったのか」
トランプ大統領
「数日前だ」
記者
「プーチン大統領が平和を望んでいると確信させるようなことを言ったのか」
トランプ大統領
「それが私の仕事だ。私の人生は交渉だ、よく知っている。そして私はプーチン大統領のことを本当に長い間知っている。私は長い間彼と取り引きしてきた。彼はロシアの偽装に苦しまなければならなかった。
ご存じのとおり、ロシアは、ロシアは、ロシアは、偽装だらけだった。それはすべてバイデンのせいだ。彼には何の関係もない。彼は取り引きをしたいと思っており、それが終わるのを見たいと思っている。
それが私の仕事だ。それが私の人生のすべてだ。私がやっていることは交渉だ。私は混乱の真っただ中にいる。これは本当に混乱しているからであり非常に危険なものだ。今解決されなければ、長い間解決されないだろう。だからわれわれは解決できることを望む」
記者
「イギリスのスターマー首相は政府は言論の自由を信じており検閲は行っていないと繰り返し主張している。しかし、イギリス政府はミームや犯罪をもって人々を逮捕し、さらに心配なのは、アメリカ企業に圧力をかけ、アメリカ人を検閲させている。このように重要な問題について明らかに間違ったことを言っているのに、どうすればスターマー首相は信頼できるパートナーでいられるだろうか」
トランプ大統領
「実はきのうわれわれはスターマー首相とこの件について話したが、彼らは明らかにやりすぎだと思っている。JD(バンス副大統領)はこの点について非常に強固な姿勢だった。私もだ。ルビオ国務長官、これについて何か話したいことはあるか」
ルビオ米国務長官
「ええ、われわれはこの行為について特にそれがアメリカ人に影響を与えるという点で当然、懸念を抱いている。そしてオンラインでのアメリカの人々の言論がイギリスや他の国の手に委ねられる可能性を非常に懸念している。これは副大統領がミュンヘンで述べた点であり、他の何よりもアメリカと欧州を結びつける非常に説得力のある点だと思う。
これらが共通の価値観で、その1つが言論の自由だ。アメリカ人はこの行為に脅かされている。この点に関して、われわれは行動を起こす必要がある」
トランプ大統領
「これは実際、非常に重要な質問だ」
バンス副大統領
「きのう昼食時にスターマー首相、外務大臣、その他の関係者とこの件について詳細に話し合った。また、きのうの非公開の会議でラトニック商務長官がフォローアップしたことを承知している。これは本当に重要なことだ。たとえこの部屋にいるわれわれと意見が合わなくても、アメリカ人には自分の考えを述べる権利があると信じている。
最近は公共の場はオンラインになることも多いがアメリカ人はそこで自分の考えを述べる権利があり、必要であればアメリカ企業とアメリカ国民についてのその権利を力強く擁護するつもりだ。大統領のリーダーシップのもと、この問題に関してイギリスの友人たちと妥協点を見いだせると思うがそれはまだわからない。
われわれを導く原則はこの国で言論の自由を信じ、アメリカ国民のため戦うことだ」
記者
「トランプ大統領、この交渉には石油とガスに関する要素はあるか」
トランプ大統領
「少しは。しかしわれわれは石油やガスをそれほど求めているわけではない。われわれはたくさん持っている。世界の誰よりも圧倒的に多く持っている。だから、われわれはそれについてあまり話していない。影響もあるとは思う。しかし大部分では、ノーだ」
記者
「トランプ大統領、ウクライナは交渉の一環として、アメリカのLNG=液化天然ガスを購入することに同意したのか、それともそれは交渉のテーブルにのっているのか」
トランプ大統領
「いや、われわれにそれは必要ない」
記者
「数日前にプーチン大統領と話したとのことだが、念のため聞くが、これは新しい電話会談か」
トランプ大統領
「私は何度もプーチン大統領と話している」
記者
「最新の電話はどうだったか」
トランプ大統領
「その質問は本気で聞いているのか。うまくいった。合意できると思う」
記者
「鉱物をめぐる取り引きについて、鉱物の一部はウクライナ東部にあり、前線から遠くなく、ロシアが占領している地域にある。アメリカに権益がある場合、その地域から軍を撤退させるようプーチン大統領に言うのか」
トランプ大統領
「まあ、様子を見てみよう。われわれには広大な地域がある。われわれが話しているのは非常に大きな地域だ。まずは見てみよう。研究して、様子を見る」
記者
「もしそこにアメリカの権益がある場合、それらの鉱物は誰が保護するのか。それはウクライナだろうか」
トランプ大統領
「合意はそれらを守るだろう。合意だ。そうだ、われわれは合意に署名する」
記者
「もしロシアが侵攻しようとしたらどうするか」
トランプ大統領
「私はそんなことは起きないだろうと言ったばかりだ。もしそうなるなら私は取り引きをしない。もしそうなると思ったら、私は取り引きをしない。あなたはCNNに集中し、生き残ることに集中すべきだ。私にこんなばかげた質問をするべきではない。生き残ることに集中しろ。CNNの視聴率は非常に低いので生き残ることはないだろう」
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【やり取り全文・後編】トランプ氏 ゼレンスキー氏 なぜ口論に<NHK>2025年3月2日 3時48分
【激しい口論に】
記者
「ポーランドは第2次世界大戦後、何十年もロシアの支配を受けた。子どものころアメリカは世界で最も強く豊かな国で、すばらしい音楽や映画、スーパーカーがあるというだけでなく、世界のための力として見ていた。今ポーランドの友人たちと話すと、あなたがプーチン氏に肩入れしすぎていると心配している。友人たちにメッセージを」
トランプ大統領
「どちらにも寄らなければ、取り引きは成立しない。私がプーチン氏についてひどいことを言っておいて『やあウラジーミル、われわれの取り引きはうまくいっているか』と言うのを望んでいるようだが。それではうまくいかない。
プーチン氏に肩入れしてはいない。誰にも肩入れしていない。アメリカに肩入れしているのだ。世界のためになるように、世界に肩入れしている。
このこと(戦争)を終わらせたい。彼(ゼレンスキー大統領)がプーチン氏に抱く憎悪がわかるだろう。私がこうした憎悪を抱えて取り引きをするのは大変なことだ。彼の憎悪はとてつもない。理解はするが、相手方も彼のことが気に入らない。つまりこれは誰かに肩入れするという問題ではない。世界に肩入れし、このことを片づけたい。ヨーロッパにも肩入れしている。これを終わらせられないかと思う。
厳しくなってほしいのか?あなたがこれまで見たことのないような厳しい人間になることだってできる。しかし、それでは交渉を成立させられない。そういうものだ」
バンス副大統領
「少しいいだろうか。今のに答えたい。アメリカには4年間、記者会見に立ってウラジーミル・プーチンに厳しいことを言う大統領がいた。そしてプーチンはウクライナを侵略し、かなり破壊した。和平への道、繁栄への道とは、外交に取り組むことかもしれない。アメリカがいい国になるには外交に取り組むことだ。それこそトランプ大統領が取り組んでいることだ」
ゼレンスキー大統領
「聞きたいことがある」
バンス副大統領
「どうぞ」
ゼレンスキー大統領
「彼(プーチン)はウクライナの東部とクリミアという大きな部分を2014年に占領した。それから何年も。バイデン前大統領だけでなく、当時のオバマ大統領、トランプ大統領(1期目)、バイデン大統領、そしてトランプ大統領(2期目)。ありがたいことにトランプ大統領が彼(プーチン)を止めてくれるだろう。しかし2014年に止める者はなかった。彼はただ占領してわがものとした。人々を殺した。停戦ラインというのは…」
トランプ大統領
「2015年だ」
ゼレンスキー大統領
「2014年だ」
バンス副大統領
「2014年から2015年」
トランプ大統領
「2014年か。私はここ(ホワイトハウス)にいなかった」
バンス副大統領
「そのとおり」
ゼレンスキー大統領
「しかし、2014年から2022年まで状況は変わらなかった。人々は停戦ラインで亡くなり、誰も彼を止めなかった。ご存じのとおり彼とは大いに対話し、首脳会談も行い、署名もした。新しい大統領として2019年に彼(プーチン)とマクロン氏(フランス大統領)、メルケル氏(ドイツ前首相)と停戦合意に署名した。皆が、彼はもうしないだろうと言った。ガスの契約にも署名した。
しかしその後、彼は停戦を破り、ウクライナ国民を殺害し、捕虜交換に応じなかった。われわれは捕虜交換に署名したのに、彼は実行しなかった。
バンス副大統領、どういった外交の話をしているのか。どういった意味で言っているのか」
バンス副大統領
「あなたの国の破壊を終わらせるような外交の話をしている。(ゼレンスキー)大統領、おことばだが、大統領執務室に来て、アメリカメディアの前でそれを訴えるのは失礼だと思う。
現在あなたたちは兵力の問題を抱えているせいで、次々と前線への徴兵を強いている。
(トランプ)大統領がこの紛争を終わらせようとしていることに礼のひと言でもあってしかるべきだ」
ゼレンスキー大統領
「ウクライナに来たことはあるのか。どんな問題があるというのか」
バンス副大統領
「行ったことはある。実際はニュースを見て何が起きているか知っている。あなたは人々をプロパガンダツアーに連れて行く。人々を軍に入れるのに苦労しているという点には同意しないのか。そして、アメリカ合衆国の大統領執務室まで来て、あなたの国の破壊を阻止しようとしている政権を攻撃するのが、礼儀正しいことだと思うのか」
ゼレンスキー大統領
「質問が多い。1から始めよう。まず、戦時中なら誰しも問題を抱える。あなたたち(アメリカ)でさえそうだ。いい海(大西洋)があって今は実感がないだろうが、やがて感じることになるだろう」
トランプ大統領
「それはわからないだろう。われわれがこの先何を感じるかなど言わなくていい。問題を解決しようとしている。あなたはそれを押しつける立場にはない。覚えておいてほしい。この先何を感じるかを押しつけるような立場にはない。われわれはいい気分、強い気持ちになるだろう」
ゼレンスキー大統領
「影響を感じることになると言っているんだ」
トランプ大統領
「今あなたはあまりいい立場にない。あなたはみずからかなり悪い立場に陥り、彼(バンス副大統領)が正しいようだ」
ゼレンスキー大統領
「戦争の当初から…」
トランプ大統領
「いい立場にはない。カードを持っていない。われわれがいて初めて手札を手にできる」
ゼレンスキー大統領
「トランプゲームをしているわけではない」
トランプ大統領
「している」
ゼレンスキー大統領
「私は真剣だ。(トランプ)大統領、私は至って真剣だ。戦時下の大統領として」
トランプ大統領
「あなたは何百万という人々の命を賭けの対象にしている。第3次世界大戦が起きるかどうかを賭けたギャンブルをしている。そしてあなたがしていることは、あなたたちを多すぎるほど支援してきたこの国に対してとても失礼だ」
バンス副大統領
「この会談を通じて1度でも礼を言ったか」
ゼレンスキー大統領
「何度も言った」
バンス副大統領
「違う。この会談の場で『ありがとう』と言ったか。
あなたは(去年)10月、ペンシルベニア州に行って、対立候補の選挙運動に加わった。あなたの国を救おうとしているアメリカ合衆国大統領に感謝を示しなさい」
ゼレンスキー大統領
「お願いだ、戦争のことで声を荒らげるなら…」
トランプ大統領
「声を荒らげてはいない。ウクライナはとても困っている。あなたはたくさん話した。あなたの国はとても困っている。勝ちそうにない。われわれのおかげでなんとかなる見込みが出てきた」
ゼレンスキー大統領
「(トランプ)大統領、われわれは国にとどまり、強くあり続けている。戦争の初めから、自分たちだけでだ。そして感謝の気持ちがある。この執務室で礼を言った」
トランプ大統領
「あなたたちは孤独になったことはない。われわれは愚かな(前)大統領を通じて3500億ドルを与えた。ウクライナの装備品はみなアメリカが与えたものだ。兵士たちは勇敢だ。しかし、アメリカの装備品を使うしかない。もし、アメリカの装備品がなかったら、この戦争は2週間で終わっていただろう」
ゼレンスキー大統領
「3日だ。プーチンの発言を聞いた」
トランプ大統領
「もっと短かったかもしれない」
ゼレンスキー大統領
「2週間。もちろんそうだ」
トランプ大統領
「こうした問題は非常に大変だ」
バンス副大統領
「とにかく礼を言って……」
ゼレンスキー大統領
「何度もアメリカの皆さんに言っている」
バンス副大統領
「見解の不一致があると認めなさい。こうした不一致について議論しよう。あなたが間違っている以上、アメリカのメディアの面前で決着をつけようとしなくていい」
トランプ大統領
「しかし、アメリカの人々に起きていることを見てもらうのもいいと思う。とても大事なことだ。だからずっと続けさせたんだ。あなたは感謝しなければならない」
ゼレンスキー大統領
「感謝している」
トランプ大統領
「あなたにはカードがない。あなたは簡単に負ける。ウクライナの人たちは死んでいく」
ゼレンスキー大統領
「やめてほしい」
トランプ大統領
「ウクライナは兵力が不足している。いいことかもしれない。あなたは『停戦はいらない、停戦はしたくない。まだやりたい。あんなものがほしい』と言う。もし今すぐ停戦できるなら、銃弾を止め、兵士が殺されるのを止められるよう、受け入れるべきだ」
ゼレンスキー大統領
「もちろん戦争を止めたいと思っている」
トランプ大統領
「だが、停戦はいやだと言うのか」
ゼレンスキー大統領
「保証込みの停戦が必要だと言っている」
トランプ大統領
「いかなる合意よりも停戦が早い」
ゼレンスキー大統領
「ウクライナの人たちに停戦についてどう思うか尋ねてみてはどうか」
トランプ大統領
「それは私の話ではない、バイデンという賢くない男の話だ。オバマの話だ」
ゼレンスキー大統領
「おたくの大統領の話だ」
トランプ大統領
「何だって。オバマはシーツをあげて、私はジャベリン(携行型対戦車ミサイル)をあげた。戦車を倒すためにジャベリンを送ったんだ。オバマはシーツを送った。もっと感謝すべきだ。あなたは手札がないんだから。われわれがいれば、カードを手にする。われわれがいなければ、カードはない。態度を変えなければならないとなると、大変そうだ」
記者
「もしロシアが停戦を破ったら、和平交渉を中断したらどうなるのか、どうするのか」
トランプ大統領
「どうするも何も、今あなたの頭に爆弾が落ちたらどうするのか。彼ら(ロシア)が破ったらどうなるのかなど、知ったことではない。バイデンと(の合意)なら破るだろう。バイデンへの敬意はなかった。オバマにも敬意はなかった。
私のことは尊敬している。プーチン氏は私と一緒に多くの苦難を経験した。うそっぱちの魔女狩りに遭って、彼とロシアは利用された。ロシア、ロシアと。聞いたことがあるか。詐欺師のハンター・バイデン、ジョー・バイデンのぺてんだった。ヒラリー・クリントン、ずるいアダム・シフ、民主党のぺてんだった。彼(プーチン氏)はそんな目に遭った。われわれは戦争に至らなかった。彼はそんな目に遭った。彼はそんなことで非難を受けた。彼は関係なかった。
ハンター・バイデンのトイレから出てきた。ハンター・バイデンの寝室から出てきた。不愉快だった。後になって『この最悪なノートパソコンはロシア製だった』などと言うんだ。51人のエージェントも出てきた。すべてがぺてんだった。彼はそれに耐えねばならかった。こうしたことで非難されていた。
私が言えるのは、彼はオバマやブッシュとの取り決めなら破っていたかもしれないということだ。バイデンとの合意でも破っていたかもしれない。破らなかったかもしれない。どうなったかはわからない。だが、私との間では破らなかった。彼は取り決めをしたがっている。できるかはわからない。問題は、私があなたを強くしたということだ。アメリカがいなければあなたは強くなれないと思う。ウクライナの人々はとても勇敢だ」
ゼレンスキー大統領
「ありがとう」
トランプ大統領
「しかし、あなたが取り引きに応じなければ、われわれは手を引く。われわれが手を引いたら、あなたたちで決着をつけることになる。気持ちのいいことではないと思うが、あなたたちで決着をつけることになる。
手札がないから。
もしわれわれが取り引きに署名すれば、あなたはずいぶんいい立場になる。しかし、あなたは全く感謝しているような態度ではなく、いいことではない。正直言って、いいことではない。
さあ、もう十分ではないか。すばらしいテレビの撮れ高になるだろう」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250228/k10014735961000.html