Philip Lagerkranser
- 知名度の低い暗号資産を準備に含めることの利点を巡り疑問呈する声
- 市場のヒーロー目指すトランプ氏、支持率低下前に成果必要-QCP
暗号資産(仮想通貨)の戦略準備にビットコイン以外も含めるとのトランプ米大統領の計画を巡り、業界関係者から懐疑的な見方が浮上している。あまり知られていない3つの仮想通貨を準備に含めることの利点について疑問が上がっており、発表直後に大きく値上がりした暗号資産は総じて3日の取引で失速が鮮明となっている。
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トランプ氏は2日、ビットコインとイーサリアムに加え、リップル、ソラナ、カルダノを準備に含む計画を発表。これを受けて言及された暗号資産は急伸していた。
だが、計画の実現性から背後にある動機に至るまで、多くの疑問が生じており、当初の熱狂は急速に薄れた。ニューヨーク時間3日午前の取引でリップルは11%、ソラナは18%、カルダノは10%いずれも下落。ビットコインは約5%下げ、9万ドルを再び割り込んだ。イーサは約10%下落。
暗号資産は2月に大きく売り込まれており、業界からの支持表明と多額の献金を受けて返り咲きを果たしたトランプ氏にとっては圧力となっていた。米証券取引委員会(SEC)が長年の業界締め付けを撤回しても、下げに歯止めをかけるには至らなかった。トランプ氏の関税政策や政府プログラムの抜本的見直しに対する懸念が暗号資産への売りにつながっているとの見方が多かった。
QCPキャピタルは「市場のヒーローであることを重視する大統領にとって、先週のリスク資産のパフォーマンスは全く満足できるものではなかった」とリポートで指摘。「政治的な計算があったのは明らかだ。トランプ氏は自身が非常に気にする支持率が低下し始める前に、成果を出す必要があった」と述べた。

原題:Trump Crypto Rally Fizzles After Skepticism on Reserves Plan(抜粋)