▽【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース

  • アップルがAIで異例の幹部刷新、英中銀据え置きもタカ派シフト
  • トルコ中銀緊急会合、EUは対米ウイスキー関税延期、本社移転か
The Apple Fifth Avenue store in New York, US. 
The Apple Fifth Avenue store in New York, US.  Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

AI幹部刷新

米アップルは人工知能(AI)分野での遅れを取り戻すべく、異例の幹部刷新を行っている。関係者が明らかにした。音声アシスタント「Siri」の担当を複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro」担当のバイスプレジデント、マイク・ロックウェル氏に移す。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、AI部門を率いるジョン・ジャンナンドレア氏の製品開発遂行能力を疑問視しているという。この動きはアップルが直面する苦境を浮き彫りにする。同社のAI技術は業界のライバルに遅れを取っており、追いつく兆しもあまり見られない。

タカ派傾斜

イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を4.5%に据え置くと発表。金融政策委員会は8人が据え置きを支持、1人は0.25ポイント利下げを主張した。ハト派寄りとみられた3人の政策委員も利下げ見送りに姿勢を転じ、全体的によりタカ派的な方向にシフトした。ベイリー総裁は、世界的に不確実さが高まる中で政策当局者に慎重な対応を促した。議事録は「今後数回の会合において金融政策があらかじめ定められた道筋をたどるという想定はない」としており、5月の利下げは確実ではないことを示唆している。

リラ下支え

トルコ中央銀行は緊急会合で、翌日物貸出金利を2ポイント引き上げ46%とした。リラを支え、通貨下落がインフレに及ぼす影響を緩和するのが狙い。エルドアン大統領の主な政敵の拘束をきっかけに金融市場で混乱が広がり、トルコ・リラは19日に一時11%下落した。中銀は「こうした状況がインフレ見通しに及ぼし得るリスクを評価し、金融政策の引き締めスタンスを支えるべく措置を講じた」と説明した。同日のリラ急落について、ピクテ・アセット・マネジメントは円キャリー巻き戻しが下げを増幅させた可能性があると指摘した。

発動延期へ

欧州連合(EU)は、米国産ウイスキーに課す予定の50%の関税の発動を4月中旬まで延期すると発表した。米国による鉄鋼・アルミニウム関税に対する他の広範な対抗措置の導入と時期を合わせる。この関税は当初4月1日の発動予定だった。EUの執行機関である欧州委員会の広報担当は、延期により米当局とのさらなる協議が可能になると指摘した。トランプ米大統領は、EUからのアルコール製品すべてに200%の関税を課すことを示唆している。

本社移転も

スイスの銀行UBSグループは、スイスが同行に250億ドル(約3兆7000億円)の追加資本確保を要求し続ける場合、本社を移転することも検討している。複数の関係者が明らかにした。スイスにとどまれば、世界のライバル行に対する競争力が損なわれることになるとUBSの幹部は考えているという。スイス当局はこれについて、クレディ・スイス破綻の二の舞を回避するために必要な措置だと考えているが、UBSは不当な過剰反応だとみている。

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