▽利回り急上昇の日本長期国債にピムコが関心、「実に興味深い」
Naomi Tajitsu、Francine Lacqua
- 日本国債の利回り曲線は極端な右肩上がり、好機ある-ボールズ氏
- 財務省には30年債発行削減を提言、国内勢に以前と同じ需要ない
日本の長期国債に、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO=ピムコ)が関心を示している。30年債利回りは過去最高を付けるなど高水準にあり、戦術的なトレーディングが可能だとみている。
ブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じたピムコの世界債券担当最高投資責任者(CIO)、アンドルー・ボールズ氏は、日本の長期国債はいま「実に興味深く」見えると述べた。
日本の30年債は生命保険会社や年金基金など従来の投資家の需要が後退しているとの懸念から売られ、5月には利回りが初めて3.2%を上回った。同年限の米国債と比べれば、同利回りはまだはるかに低いが、長期債と短期債の利回り差(スプレッド)は米国やその他の先進国国債よりも大きい。
「日本国債の利回り曲線は極端な右肩上がりだ。これは好機だと見受けられる」とボールズ氏は指摘。「これはトレーディングで、長期投資ではない。それでも日本国債の30年物には好機がある」と語った。

日本の長期国債はこのところ、UBSアセット・マネジメントやバンガード、RBCブルーベイ・アセット・マネジメントなど海外投資家の関心を集めている。同国債に対する需要はこれまで、ほぼ国内勢に限定されていた。
ボールズ氏は日本の財務省に対し、需要の縮小に対応して30年債の発行を削減すべきだと主張。同様の見解を示す投資家は多く、供給減少が30年債の回復を後押しするとみている。
「日本の国内投資家は30年債について、以前と同じ供給を必要としていない。日本の当局は超長期物の供給を減らすという明らかなシグナルを発する必要がある」とボールズ氏は論じた。
同様の問題に直面する英国は、既に長期債の発行を削減した。米国でも財政赤字拡大懸念から30年債は敬遠され、12日に行われる米30年債入札が注目されている。
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原題:Japan Bonds Are a Tactical Buy for Pimco After Yields Hit Record(抜粋)
