▽米政権、国内レアアース支援で国防生産法の権限活用を検討-関係者
Joe Deaux、Jenny Leonard、Jennifer A Dlouhy
- レアアースプロジェクトの資金調達を支援、国内供給網構築を後押し
- レアアース生産のMPマテリアルズに恩恵の見通し、株価13.9%急伸
トランプ米政権は、国家安全保障上重要と位置づけるレアアース(希土類)関連事業を優先し資金を投入するため、冷戦時代に制定された「国防生産法(DPA)」に基づく緊急権限を活用する計画を策定中だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、政府は、採掘や精製などの下流工程技術を含むレアアース関連プロジェクトの資金調達を支援し、国内の供給網構築を後押しするためにDPAの活用を検討している。具体的な措置や実施時期はまだ最終決定されていないという。
この取り組みでは、米国唯一のレアアース生産企業であるMPマテリアルズが主に恩恵を受ける見込みだ。関係者によれば、ファインバーグ国防副長官が同社への資金提供を取りまとめているという。同社はすでに国防総省から多額の資金を受け取っている。
12日の米株式市場でMPマテリアルズは13.9%高で通常取引を終えた。同社の広報担当者はコメントを控えた。ホワイトハウスと国防総省の担当者にコメントを求めたがすぐには返答はなかった。
ヘグセス国防長官は今週の議会証言で、「MPマテリアルズは官民連携の好例だ」と述べ、ファインバーグ氏がレアアースの確保に注力していると説明していた。
現在、米国にはレアアースの一貫体制を国内で本格的に展開する能力が欠けている。緊急権限を発動することで、国防総省を含む複数の機関が脆弱(ぜいじゃく)な供給体制の整備を迅速に進められる見通しだ。特に、中国がここ1カ月、レアアースを対米貿易協議の交渉カードにしてきたことで、米政権内の危機感が強まった。
原題:Trump Mulls Using Defense Powers to Fund Rare-Earth Projects(抜粋)
