▽G7、中東情勢が最重要議題に 緊張緩和求める共同声明採択も<ロイター日本語版>2025年6月16日午前 7:04 GMT+9

G7、中東情勢が最重要議題に 緊張緩和求める共同声明採択も

[バンフ(カナダ・アルバータ州) 15日 ロイター] – 中東情勢が緊迫の度合いを増す中で、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が16日にカナダ西部カナナスキスで開幕する。主催国カナダのカーニー首相は、安全保障問題とともに重要鉱物のサプライチェーン(供給網)構築や雇用創出などを優先的なテーマに掲げているものの、やはり議題の中心は中東、ウクライナといった地政学情勢になりそうだ。

イスラエルがイランの核施設を攻撃したことに伴う両国の報復の応酬は15日も続き、双方で多数の死者が出ている。

こうした中でG7関係者の1人は、サミットでイランに姿勢を和らげるよう求める共同声明が採択される方針だと明らかにした。

ドイツのメルツ首相は記者団に、自身がサミットで達成を目指す目標にはイランに核兵器開発・保有をさせず、イスラエルの自衛権を確保し、対立激化を避けて外交的解決の余地を生み出すことが含まれると述べた。

メルツ氏は「この問題はG7サミットの最重要議題になる」と言い切った。

今回のサミットは、G7諸国の結束を優先するため包括的な首脳宣言や首脳声明(コミュニケ)の取りまとめは見送られる公算が大きい。

あるカナダ政府高官も、主催国カナダとしてG7が一致して行動できるようにすることに力を注ぎたいと説明した。

カナダがトルドー前政権時代の2018年に主催したG7サミットでは、トランプ米大統領がトルドー氏の姿勢に不満を表明して途中退席し、首脳宣言を米代表団に承認しないよう指示する事態が起きた。

現在も米国とカナダは鉄鋼・アルミニウム関税問題などで溝が生まれている。

専門家からは、G7の成功はトランプ氏が各国の協調にひびを入れるような行動に出ないことにかかっているとの声も聞かれる。

▽米ロ首脳、イスラエル・イラン情勢で電話会談 対立激化に懸念<ロイター日本語版>2025年6月15日午前 8:58 GMT+9

米ロ首脳、イスラエル・イラン情勢で電話会議 対立激化に懸念

[モスクワ 14日 ロイター] – トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が14日に電話会談し、イスラエルとイランの対立激化について協議し、攻撃停止に向けた取り組みを呼びかけた。

ロシア大統領府(クレムリン)のウシャコフ大統領補佐官(外交政策担当)によると、プーチン氏はイスラエルの対イラン作戦を非難し、エスカレートの危険性について懸念を表明した。

トランプ氏は交流サイト「トゥルース・ソーシャル」で、議論の大半は中東が中心だったとし、「電話会談は約1時間続いた。彼(プーチン氏)は私と同様に、イスラエルとイランの戦争は終結すべきだと考えている。そして私は、彼の(ウクライナ)戦争も終結すべきだと説明した」と述べた。

ウシャコフ氏によると、プーチン氏はイランの核開発問題を解決する提案を引き続き支持する考えを示したという。15日にオマーンで予定されていた米国とイランの核協議は、イスラエルのイラン攻撃をきっかけとする緊張激化を受けて中止された。

また、ロシア国営通信RIAによると、プーチン氏がウクライナ側と交渉を続ける用意があるとトランプ氏に語ったという。

▽ロシア大統領、ドローン部隊の迅速な発展・配備の重要性強調<ロイター日本語版>2025年6月13日午前 9:02 GMT+9

ロシア大統領、イスラエル・イラン首脳と個別電話会談 外交解決を強調

[12日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナ紛争でドローン(無人機)が重要な役割を果たしていると述べ、軍内でのドローン部隊の迅速な発展・配備を求めた。兵器開発に関する会議での発言をロシアの通信社が伝えた。

プーチン氏は「われわれは現在、無人システム部隊を独立した軍部門として創設しており、迅速で質の高い配備と発展を確保する必要がある」と述べた。

ドローンはロシアとウクライナの紛争において、双方にとって主要な役割を果たしてきた。ウクライナのゼレンスキー大統領は2022年2月の戦争勃発以来、国内のドローン開発・製造産業を発展させる重要性を強調してきた。

プーチン氏はウクライナがこの問題にどう対処しているかをロシアはよく知っているとした上で、「しかし全体的に見て、われわれが何かにおいて遅れているとは思わない。もっと言えば、われわれはそのような部隊の創設を視野に入れ、良い経験を結集しているように思える」と語った。

ロシアのベローゾフ国防相は昨年終盤にドローン部隊の創設を提案し、2025年第3・四半期を目標時期とした。

プーチン氏はまた、防空システムの開発についても強調し、ウクライナ紛争で8万以上の標的を破壊したと述べた。

▽原油相場急上昇、イランのエネルギー資産を標的にイスラエルが攻撃<bloomberg日本語版>2025年6月16日 7:15 JST

  • 米株価指数先物が下落、イスラエルとイランの交戦激化に懸念
  • イスラエルはイランの燃料貯蔵タンクなども標的に攻撃を実施

イランのエネルギー資産を標的としたイスラエルの攻撃を受け、原油相場が急上昇している。中東の原油供給へのリスクが高まっている。

  北海ブンレト原油先物相場は16日の取引開始時点で一時5.5%高の1バレル=78.32ドルを付けた。15日には7%上昇と、3年強ぶりの大幅高となっていた。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時6.2%高となった。

  イスラエルは14日の攻撃で、イランの南パルス天然ガス田に関連する天然ガス処理施設の機能を一時的に停止させるとともに、同国の核開発計画に対する作戦の一環として燃料貯蔵タンクも標的にした。

  イスラエルとイランが互いに攻撃を継続し、戦闘停止の兆しが見えない状況にあって、米株式指数先物がアジア時間16日早朝に下落している。

  S&P500種株価指数先物は米東部時間15日午後6時1分(日本時間16日午前7時1分)時点で0.5%安で取引を開始したが、その後やや下げ幅を縮小。一方、ナスダック100指数先物は一時0.6%下落した。

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原題:Oil Jumps After Israeli Strikes Target Iranian Energy Assets、US Stock Futures Drop as Concerns Grow Over Israel-Iran Conflict(抜粋)