▽米特使、ガザ停戦交渉団引き揚げ ハマスに「誠意見られず」<ロイター日本語版>2025年7月25日午前 4:02 GMT+9
Crispian Balmer, Nidal Al-Mughrabi

[エルサレム/カイロ 24日 ロイター] – 米国のウィットコフ中東担当特使は24日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉について、イスラム組織ハマスにの行動が誠実さに欠くとして、カタールで行われていた交渉から米代表団を引き揚げた。
ウィットコフ氏はXに「仲介者は多大な努力を払ってきたが、ハマスは協調性や誠実さを欠いているように見受けられる」と批判。人質の解放とガザの情勢安定化に向けて「代替案を検討する」と述べた。
イスラエルも、ハマスが停戦を巡り新たな回答を示したことを受け、交渉団を帰国させた。イスラエルはハマスの回答を精査しているとしており、関係筋は代表団の引き揚げは必ずしも交渉の危機を示すものではないとしている。
ハマス幹部は新たな回答についてロイターに対し、60日間の停戦期間内に合意が得られなかった場合にイスラエルによる攻撃再開を阻止する条項を求めたと明らかにした。その上で、合意が得られる可能性はあるとしながらも、イスラエルの動きが鈍いため、合意には数日かかるとの見方を示した。
イスラエルメディアによると、同国政府高官は新たな文書は協力可能な内容だと述べた。ただチャンネル12は、停戦中にイスラエル軍が撤退すべき場所など、意見が食い違う問題があり、早期の合意は見込めないと伝えている。
協議に近いパレスチナ政府関係者はロイターに、ハマスの最新の姿勢は「柔軟かつ前向きで、ガザで拡大する苦しみと飢餓を止める必要性を考慮している」と語った。
ガザ地区では食料不足による飢餓が広がっており、イスラエルとハマスに対する国際社会からの圧力が増している。米政府は60日間の停戦で合意するよう働きかけを強めており、イスラエル当局者によると、イスラエルとハマスの相違が大幅に解消されれば、トランプ米政権のウィットコフ中東担当特使が25日にデルメル・イスラエル戦略問題担当相と会談する可能性がある。
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