▽トランプ米大統領、中国との関税休戦90日延長-対立再燃を回避
Jenny Leonard、Josh Wingrove
- 関税休戦、12日失効を前に延長-両国に問題解決の時間
- 休戦の延長でトランプ氏の10月訪中も視野に
トランプ米大統領は中国との関税休戦を90日延長した。これにより、世界二大経済大国の貿易関係にひとまず安定がもたらされた。
事情に詳しい関係者によると、トランプ大統領は休戦延長命令に署名した。報復関税の応酬を停止し、レアアース(希土類)や一部テクノロジーの輸出規制を緩和することで合意した両国の取り組みは、12日に失効する予定だった。
両国の交渉担当者は先月、スウェーデンで休戦延長に関する予備合意に達しており、大統領顧問らはトランプ氏が承認するとの楽観的な見方を示していた。
ホワイトハウスにコメントを求めたが、現時点で返信はない。トランプ大統領はこれより先、記者団からの質問への回答で、米中の取り決め延長について明言を避けていた。署名については経済ニュース専門局CNBCが11日に先に報じた。

大統領令の文面はまだ入手できず、米国の通商政策に他の変更が含まれるかどうかも現時点では不明。
関税戦争が再燃すれば、米中の貿易にさらなる打撃が及ぶとの懸念があったが、今回の措置により、こうした不安は緩和された。今年の米中貿易摩擦は世界の金融市場を動揺させた。
また合成麻薬フェンタニルの流通に関連した関税や、中国がロシア産やイラン産原油を購入していることへの懸念、さらには中国での米事業展開を巡る摩擦など、取り決め延長は他の問題を解決するための時間を両国に与えるものとなった。
さらに、トランプ氏が10月下旬に韓国で予定される国際会議の前後に中国を訪問し、習近平国家主席と会談する道を開く可能性もある。
トランプ氏は今年の早い時期に、中国製品への関税を大幅に引き上げ、中国側も報復措置として米国の製造業に不可欠なレアアース磁石の輸出制限を導入するなど対抗。米国の中国製品への関税は145%に達した。
その後、両国は5月に90日間の休戦に合意し、米国は中国製品への関税を30%に、中国は米国製品への関税を10%にそれぞれ引き下げたほか、レアアースの輸出再開に同意していた。
原題:Trump Extends China Tariff Truce for 90 Days, Averting Duty Hike、 Trump Extends China Tariff Truce for 90 Days, CNBC Says (1)(抜粋)
