▽トランプ氏、米地上軍のウクライナ派遣を否定 空軍通じた支援の可能性を示唆<ロイター日本語版>2025年8月20日午前 6:26 GMT+9

[ワシントン/ロンドン/キーウ/アンカラ 19日 ロイター] – トランプ米大統領は19日、米国によるウクライナへの「安全の保証」への関与について、米軍の地上部隊を派遣する可能性を否定した。和平合意の一環として、空軍を通じた支援を行う可能性はあるとした。
トランプ米大統領は18日にホワイトハウスで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談で、米国がウクライナ戦争終結のためのいかなる合意においてもウクライナの安全保証を「支援する」と表明した。 もっと見る
トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで「安全保証に関しては、(欧州諸国は)地上部隊の派遣に前向きだ。われわれは特に空軍による支援などを通じ、彼らを支援する用意がある」と語った。
ホワイトハウスのレビット報道官は、空軍による支援について「選択肢かつ可能性」と確認しつつも、詳細には踏み込まなかった。
その上で「大統領は、米軍がウクライナに地上部隊を派遣しないことを明確に表明したが、われわれは調整において協力し、欧州同盟国の安全を保証する他の手段を提供できる可能性もある」とし、トランプ氏が国家安全保障チームに欧州と協力するよう指示したと明らかにした。 もっと見る
<プーチン大統領とロシアの動き>
トランプ米大統領はFOXとのインタビューで、ロシアのプーチン大統領がウクライナにおける紛争の終結に向けて「ディール(取引)を望まない可能性もある」とし、今後2週間でプーチン氏の行動を評価すると述べた。
プーチン氏が紛争終結に向けて前進することを望むとしつつも、合意に至らなければ、プーチン氏は「厳しい状況」に直面すると警告した。 もっと見る
トランプ氏は、プーチン氏とゼレンスキー氏の会談の手配を始め、両首脳の会談に続き、自身も含めた3者会談を行う考えを示しているものの、ロシア側はこれまでに、ロシア・ウクライナ首脳会談について明確なコミットメントを示していない。
ラブロフ外相は19日、ロシアはウクライナ和平を巡りいかなる形式での協議も拒否しないとしつつも、首脳会談は「最大限の綿密さをもって準備されなければならない」と述べた。
ウクライナでの戦闘に収束の兆しも見られない。ウクライナのエネルギー省は19日、中部ポルタワ州のエネルギー施設が夜間にロシア軍の巡航ミサイルと無人機(ドローン)による攻撃を受け、大規模な火災が発生したと発表。ウクライナ当局者はロシアのプーチン大統領が平和を望んでいないことの表れだと非難した。 もっと見る
ただ、ロシアとウクライナはこの日、戦死した兵士の遺体を相互に返還。ウクライナ当局によると、ロシアはこの日、戦死したウクライナ兵1000人の遺体をウクライナに返還した。タス通信によると、ロシアは見返りにロシア兵19人の遺体を受け取ったという。
<活発な外交活動続く>
ウクライナを支援する「有志国連合」はこの日協議を開き、ロシアへの圧力を強めるための追加制裁について協議した。また、ウクライナへの安全の保証確保に向けた計画を進めるため、今後数日中に担当チームを米国に派遣し、会合を開くことで合意した。
ゼレンスキー大統領はXへの投稿で「有志国連合の全メンバー、特に米国と、安全保証の構造についてあらゆるレベルで具体的な作業に積極的に取り組んでいる」と述べた。
また、北大西洋条約機構(NATO)の軍事指導部は20日に会合を開き、ウクライナ問題を協議するため会合を開く見通し。これに先立ち、ルッテNATO事務総長はこの日、トルコのエルドアン大統領氏と電話会談を行い、ウクライナに対する実行可能で持続可能な安全の保証について協議した。このほか、ルビオ米国務長官がトルコのフィダン外相と電話会談を行い、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた措置などについて話し合った。
関連情報
▽プーチンは平和望まず破壊狙う、ウクライナ当局者が攻撃を非難<ロイター日本語版>2025年8月19日午後 4:19 GMT+9
[キーウ 19日 ロイター] – ウクライナ中部クレメンチュクがロシア軍による夜間攻撃を受け、ポルタワ州で停電が発生した。ウクライナ当局者はロシアのプーチン大統領が平和を望んでいないことの表れだと非難した。
クレメンチュクのマレツキー市長は「プーチンが電話でトランプ米大統領に和平を求めていると表明し、また、ゼレンスキー大統領がホワイトハウスで欧州首脳と公正な和平について協議していたまさにその時、プーチンの軍隊はクレメンチュクへの大規模な攻撃を再び開始した」とメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。
数十回の爆発が市街地を揺るがしたと指摘し、「プーチンが平和を望んでいるのではなく、ウクライナを破壊したいのだということを世界は改めて認識した」と強調した。
ポルタワ州のコフート知事は、今回の攻撃で地元の電力インフラ事業者の建物が損傷したと明らかにした。ルブヌイ地区で約1500戸の住宅と119件の商業施設が停電に見舞われたが、死傷者は確認されていないとしている
▽ウクライナ中部のエネルギー施設で大規模火災、ロシア軍が攻撃<ロイター日本語版>2025年8月19日午後 6:57 GMT+9
[キーウ 19日 ロイター] – ウクライナのエネルギー省は19日、中部ポルタワ州のエネルギー施設が夜間にロシア軍の巡航ミサイルと無人機(ドローン)による攻撃を受け、大規模な火災が発生したと発表した。
同省はメッセージアプリ「テレグラム」で、ガス輸送施設が数十機のドローンによって攻撃され、被害が出たと明らかにした。
一方、ロシアのインターファクス通信は、ウクライナ軍に燃料を供給していた製油所をロシア軍が攻撃したと報じた。
ポルタワ州にはウクライナで唯一の製油所であるクレメンチュク製油所があり、これまでに何度もドローンやミサイルによる攻撃を受けている。ウクライナ当局は同製油所が現在も稼働しているかどうかについて言及していない。
