Catarina Saraiva
- CEA委員長職を無給の休暇扱いにして、FRB理事を続ける意向
- FRB独立性の危機、民主党議員だけでなく共和党議員の一部も懸念
トランプ米大統領が連邦準備制度(FRB)理事に指名したマイラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は、上院銀行委員会で4日に開かれた承認公聴会で、同氏がトランプ大統領に従うだけの人物との民主党の懸念に反論した。ただし、FRB理事に承認されてもCEA委員長の職務は維持する意向も示した。
マイラン氏は公聴会の質疑応答で、CEA委員長職を無給の休暇扱いとした上で、FRB理事として来年1月末までの任期を勤めるつもりだと述べた。
公聴会の冒頭で同氏は、FRBの独立性を守る決意を述べ、自分自身の分析に基づいて判断すると約束した。中央銀行が抱える最重要任務は恐慌とハイパーインフレの予防だとも指摘。キャリアの多くを金融政策の研究に費やしたと述べる同氏は昨年、FRB改革案を多数の論文で提示し、その中には独立性を損なう内容もあった。
「FRB理事就任が承認されれば、これまでFRBがそうしてきたように、私も独立して行動する」と、マイラン氏はスコット委員長(共和)の質問に答えた。
トランプ大統領が任命したFRB高官が独立性を保てない可能性に対しては、大統領の意向に従う形で政策が決定する恐れがあるとして、上院の民主党議員だけでなく共和党議員の一部からも懸念の声が上がっている。公聴会ではこうした不安の払しょくには至らず、FRB理事に就任してもホワイトハウスの要職を辞任しないことを同氏が明らかにしたため、懸念はむしろ強まった。
2020年大統領選挙
民主党上院議員で最初に質問機会を得たウォーレン議員は、2020年の大統領選挙でトランプ氏が敗北したことを認めるかと、マイラン氏に尋ねた。
マイラン氏は「ジョー・バイデン氏は議会によって合衆国大統領に認定された」と述べ、この質問に対する直接的な回答を避けた。
また労働統計局(BLS)が2024年の選挙に影響を与える目的で雇用統計の数値を改ざんしたとするトランプ氏の主張についても、マイラン氏は見解を求められたが、同様に直接的な回答を避けた。
ウォーレン議員は「あなたはトランプ氏が望むことなら何でもやるということを、自分で明確にした」と切り返した。
原題:Trump’s Fed Pick Lauds Importance of Independence at Hearing(抜粋)
