Catherine Lucey、Erik Wasson
- 民主党につなぎ予算を支持する機会を再度与える方針、譲歩迫る
- ハセットNEC委員長、法案否決ならトランプ政権は「厳しい措置」
トランプ米政権は6日、政府閉鎖が2週目に突入する中、連邦職員の大量解雇に踏み切る前に、民主党につなぎ予算を支持する機会をもう一度与える方針を示した。民主党に譲歩を迫る狙いがある。
上院は6日遅く、11月21日まで政府機関の運営を継続するためのつなぎ予算案について、5回目の採決を行う予定だ。トランプ大統領の上級経済顧問であるハセット国家経済会議(NEC)委員長は、民主党が「理性的」な対応を取るべき時だと主張した。
トランプ氏はこれまで、政府機関の閉鎖を利用して数千人の連邦職員を解雇する意向を示している。通常なら、連邦職員は政府閉鎖時に一時帰休扱いとなる。
民主党は2025年末に失効するオバマケア医療保険制度の補助金延長や、先に成立した大型減税・歳出法に盛り込まれたメディケイド(低所得者向け医療保険制度)削減撤回を求めて、共和党のつなぎ予算への支持を拒んでいる。
ハセット氏は米経済専門局CNBCのインタビューで、大統領と顧問らは上院の採決を注視していると述べた。ハセット氏は法案が否決された場合、トランプ政権が「厳しい措置」を取るだろうとけん制した。
連邦職員の解雇に関して問われると、「民主党が政府機関の運営再開を拒むなら、我々がこれまで進めてきた政府効率化への取り組みはむしろ加速するかもしれない」とハセット氏は述べた。
下院の共和党指導部はすでに可決済みのつなぎ予算案を上院が通すまでできることはないとして、政府閉鎖が終わるまでワシントンを離れる方針を示している。
上院共和党トップのスーン院内総務は5日、Foxニュースの番組で「必要なのは、あと5人の民主党議員に賛成票を投じてもらうことだけだ」と述べていた。
共和党はアメとムチの戦略で、民主党議員5人の懐柔を図っている。具体的には、オバマケアの補助金延長に関する協議をほのめかす一方、民主党が拒否すれば連邦職員の大量解雇やプロジェクト中止を断行する構えをみせている。
一方、共和党の穏健派は仲介役となり、政府機関再開に向けて民主党穏健派の説得にあたっている。オバマケアの補助金を何らかの形で延長したいと考えている共和党のラウンズ上院議員(サウスダコタ州)はやコリンズ上院議員(メイン州)らが主導した先週の協議は2日夜に決裂したが、6日に再開される見通しだ。

原題:White House Raises Pressure on Democrats If Shutdown Vote Fails(抜粋)
