Ian King、Maggie Eastland、Edward Ludlow
- 最新チップが2026年まで増収をけん引へ、5000億ドルの売上高見込む
- ウーバーやパランティアなどと提携-エヌビディア株は最高値更新
米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は28日、一連の新たな提携を発表し、人工知能(AI)市場のバブル懸念を退けた。同社の最新チップで5000億ドル(約76兆円)の売り上げを生み出す軌道にあるとも述べた。
フアン氏は首都ワシントンで初めて開いた技術者会議「GTC」で講演し、主力のAIアクセラレーター「ブラックウェル」と次世代「ルービン」が、2026年まで売上高の前例のない成長をけん引すると述べた。
同社はGTCで、ウーバー・テクノロジーズ、パランティア・テクノロジーズ、クラウドストライク・ホールディングスなどとの提携を発表し、AI開発ブームの中心に引き続き自社技術を据える方針を示した。量子コンピューターをAIチップと接続する新システムも発表した。
関連記事:ウーバー、エヌビディア技術でロボタクシー10万台整備計画-27年開始
フアン氏はホワイトハウス近くの会場で数千人の聴衆を前に、「われわれは今、好循環に達し、転換点にいる」と述べ、「極めて素晴らしいことだ」と付け加えた。

同氏はまた、同社がトランプ大統領の掲げる米製造業強化の経済政策を支援していることを強調した。講演の数日後には、トランプ氏が中国の習近平国家主席と会談し、長年続いた貿易摩擦を緩和する通商合意をまとめる見通し。これまでの輸出規制により、エヌビディアの主力AIチップは中国市場への供給が事実上停止している。
ただ、今回の講演の大部分は、AI産業が転換期を迎えたことに重点が置かれた。フアン氏はAIモデルが十分に高度化し、顧客が対価を支払うことをいとわない段階に達したと指摘。これにより、高額のコンピューティングインフラ構築が正当化されると主張した。
この発言を受け、AI投資バブルの懸念が後退し、同社株は28日終値で前日比5%高の201.03ドルに達し、上場来高値を更新した。
フアン氏は講演後のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「AIバブルではないと考えている」と述べ、「さまざまなAIモデルを利用しており、多くのサービスに喜んで対価を支払っている」と語った。
同社は最新チップの出荷を2000万個と見込む。前世代の「ホッパー」は製品ライフサイクルを通じて400万個にとどまっていたとフアン氏は述べた。
原題:Nvidia CEO Rebuts Fears of AI Bubble as He Lines Up Partners (2) (抜粋)
