▽欧州委、ウクライナのEU加盟努力評価 改革加速求める=草案文書<ロイター日本語版>2025年11月4日午前 6:39 GMT+9

[ブリュッセル 3日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、ウクライナはEU加盟に向け「顕著なコミットメント」を示していると評価すると同時に、ウクライナはEUに加盟するに当たり汚職対策を進め、法の支配を巡る改革を加速させる必要があると指摘した。
ウクライナは2022年2月のロシアによる全面侵攻開始直後にEUに加盟を申請。ロイターが3日に入手したEU拡大を巡る草案文書によると、欧州委は「ロシアによる侵略で極めて厳しい状況に置かれているにもかかわらず、ウクライナはこの1年間、EU加盟に向け顕著なコミットメントを示し続けた」と指摘。同時に、司法の独立のほか、組織犯罪対策や市民社会の尊重などの面で一段の進展が必要になるとの見解も示した。
EU加盟には、加盟国の全会一致の支持が必要。多くのEU加盟国はウクライナの加盟を支持しているが、外交筋は加盟実現には大きな障害があると指摘。近い将来に加盟が実現する見通しは立っていない。
ウクライナは、加盟交渉を28年末までに完了させる方針を表明。欧州委は「この目標を支援する用意がある」としながらも、EU加盟には改革の加速が不可欠になると指摘。特に法の支配の強化が必要になるとの見解を示した。
ロイターが入手した草案文書は、4日に採択される見通しのEU拡大報告書の一部。
▽ウクライナ東部の要衝ポクロウシクの攻防続く、ロシアは前進と主張<ロイター日本語版>2025年11月4日午前 6:17 GMT+9

[モスクワ/キーウ 3日 ロイター] – ウクライナ東部ドネツク州の要衝ポクロウシクを巡るロシア軍とウクライナ軍の激戦は3日も続いた。ロシア国防省は部隊が前進したと発表した一方、ウクライナ軍は攻防を続けていると表明。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍がポクロウシク北方のドブロピリャ周辺に部隊を集結させていると明らかにするなど、戦況が読めない状況が続いている。
ロシア国防省は、ロシア軍はポクロウシクの鉄道駅などの付近でウクライナ軍部隊を包囲した上で撃破したと表明。市内に入り陣地を築いたとしている。これに対しゼレンスキー大統領は、ポクロウシクは厳しい圧力下にあるとしながらも、ロシア軍は過去24時間で前進していないと指摘。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、ロシア軍の注意をポクロウシクからそらすため、ウクライナ軍はドブロピリャに対する圧力を強めていると明らかにした。
ロイターは独自に戦況を確認できていない。
ロシアは、ポクロウシクを制圧すればドネツク州でウクライナ支配下に残る主要都市のクラマトルスクとスラビャンスクを制圧する足掛かりになるとして攻勢を強めている。ポクロウシクが陥落すれば、2024年初めのドネツク州アウジーウカの陥落以来、ロシアにとっては最も重要な領土的戦果となる。
