▽中選挙区制」に与野党の支持広がる…衆院選挙制度の「抜本的見直し」目指す超党派議連で「連記制」などの案<読売新聞オンライン>2025/12/06 08:00
薦田大和、田村直広
衆院選挙制度改革を巡り、「中選挙区制」に与野党の支持が広がっている。選挙制度の抜本的な見直しを目指す超党派の議員連盟が5日に開いた会合では、自民党や日本維新の会を含む各党の参加者の多くが中選挙区連記制を軸とする案を示した。定数削減議論にあわせて選挙制度の変更が実現するのか注目される。(薦田大和、田村直広)
超党派議連の会合に臨む与野党各党の参加者ら(5日、国会内で)
「合意形成が可能な範囲で各党案が収まっている」
議連幹事長を務める有志の会の福島伸享衆院議員は5日の国会内での会合後、記者団に議論加速への期待を示した。8党派が意見表明した会合では、国民民主、共産両党と衆院会派「減税保守こども」が党派としての案を、ほかは参加者の私案を提示した。自民、維新、立憲民主、国民民主、減税保守こどもの5党派が中選挙区制を掲げた。各党が主張した選挙制度改革案
現行の衆院小選挙区比例代表並立制は、2大政党制の実現や「政治とカネ」の問題の解消を目的に1994年に移行が決まり、96年衆院選から導入された。選挙区で1人しか議席を得られず、議席に反映されない「死に票」が多いとの課題が指摘されてきた。
中選挙区制は1選挙区で3~5人ほどが当選するため中小政党も議席を得やすい。複数政党の候補が当選でき、連立構想が描きやすくなると見る向きもある。会合で立民の津村啓介衆院議員は「連立政権の枠組みを選択できる」と訴えた。
公明とれいわ新選組は都道府県や政令指定都市などを選挙区の単位とする比例代表制を唱えた。公明の岡本政調会長は「政党名でも投票できる区割りのいらない中選挙区制とも言える」と説明した。
現行制度に移行前の中選挙区制は、1人の名前を書く「単記制」だったが、超党派議連では「連記制」派が目立つ。中選挙区時代は政党内で争うため、自民は派閥間の対決が主流だった。利益誘導を競い合う傾向が強まり、「金権政治の温床」との批判も浴びた。国民民主の玉木代表は連記制により「(同一政党の候補が)協力する戦術もとれる。派閥の弊害を最小にできる」と語る。
もっとも、立民の野田代表が「中選挙区は明らかにお金がかかった」と指摘するなど、慎重な意見も少なくない。議論の活性化に向け、議連は来週にも、衆院議長の下に設置された与野党の「衆院選挙制度に関する協議会」で各党の正式案を議論するよう求める提言を額賀議長らに提出予定だ。
▽安定的な皇位継承へ、自民党が立憲民主党に皇室典範改正呼びかけ…党見解を出すよう書面で要請<読売新聞オンライン>2025/12/06 05:00
自民党が安定的な皇位継承策を巡り、来年の通常国会での皇室典範の改正を野党第1党の立憲民主党に呼びかけていたことが分かった。来年中の改正は自民と日本維新の会の連立合意に盛り込まれたもので、立民は、自維両党が立民を除く各党と一致する点で改正を進めていく可能性もあるとみて強く反発している。
選挙sりど自民党本部
複数の関係者によると、自民の小林政調会長が2日、立民の担当者である馬淵澄夫代表代行と国会内で会談した。小林氏は、衆参両院議長の下での与野党協議で「議論は十分に尽くされた」との認識を示し、立民に改めて党見解を出すよう書面で要請したという。
これまで与野党は、皇族数の確保策として〈1〉女性皇族の身分を結婚後も保持する〈2〉旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――の2案を協議してきた。
立民は〈1〉について、結婚後の女性皇族の夫と子に皇族の身分を付与するべきだと主張し、与野党で見解が割れている。〈2〉は自民、公明、日本維新の会、国民民主党が賛同する一方、立民は慎重姿勢を示している。
立民側は与野党協議を再開した上で、各党・会派による合意が必要との立場だ。今年の通常国会では、自民と立民による水面下の協議が決裂しており、再開のめどは立っていない。



