▽ネタニヤフ氏、イラン核問題巡りトランプ氏と協議へ ガザ和平も焦点<ロイター日本語版>2025年12月23日午前 5:26 GMT+9
Elwely Elwelly, Emily Rose, Steven Scheer

[エルサレム/ドバイ 22日 ロイター] – イスラエルのネタニヤフ首相は22日、来週予定する訪米の際に、トランプ米大統領とイランの核開発を巡る活動について協議する考えを示した。また、イランが最近「演習」を実施していることをイスラエルは把握しているとも明らかにしたが、トランプ氏との会談はパレスチナ自治区ガザでの和平の次の段階への移行のほか、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラへの対応が主な議題になるとの見方を示した。
ネタニヤフ氏はエルサレムでギリシャとキプロスの首脳との共同記者会見を実施。イスラエルはイランが最近「演習」を実施していることを把握していると述べたが、詳細には触れなかった。
イランについては、 6月のイランとの12日間にわたる武力衝突 で「大きな成果」が得られたとしながらも、 ウラン濃縮度の引き下げなどを含む状況は変わっていないと指摘。 「当然、(トランプ氏との)協議の議題になる」と述べた。 その上で「われわれはイランとの対立を求めていない。安定と繁栄、和平を目指している」と語った。
ネタニヤフ氏は29日にトランプ大統領と会談する。
これに先立ち、イラン国営メディアが匿名の関係筋や目撃者の情報として、イランが22日に複数の都市でミサイル演習を実施したと報じていた。
米NBCニュースは20日、イスラエルがイランの弾道ミサイル施設における生産拡大に懸念を強めており、ネタニヤフ首相がトランプ大統領との会談で再攻撃の可能性について説明する準備を進めていると報じた。米国が今年6月に空爆した核施設をイランが修復していることも、イスラエル当局が懸念していると伝えた。
西側諸国は、イランの弾道ミサイルは中東の安定に対する軍事的脅威であると同時に、イランが核兵器を開発した場合に運搬手段になりうるとみている。イランは核兵器開発の意図を否定している。
イランのメディアはテレグラムでミサイル発射とみられる映像を公開したが、場所は特定されなかった。ただ、メディアは発射が首都テヘランのほか、中部イスファハン、北東部マシュハドからだと報道。ロイターは映像の信頼性を独自に確認することはできなかった。
国営メディアは22日にその後、「情報筋」の話としてミサイルでの演習を否定し、映像は「高高度航空機」のものだと報じた。矛盾した内容であることへの説明はなかった。
イランの革命防衛隊は今月、弾道ミサイルと巡行ミサイルの発射演習を実施しており、演習報道は1カ月で2度目。
