• AMDは約9%上昇、ハイテク銘柄の比重高いナスダック100は1.1%高
  • 円は1ドル156円を挟んで推移-高市首相が利上げに難色との報道
S&P500種株価指数は反発
S&P500種株価指数は反発Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

24日の米株式市場でS&P500種株価指数は反発。人工知能(AI)がもたらす破壊的影響への懸念から前日に下げていたテクノロジー銘柄を買い戻す動きが優勢となった。消費者信頼感の改善も投資家心理を支えた。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6890.0752.320.77%
ダウ工業株30種平均49174.50370.440.76%
ナスダック総合指数22863.68236.411.04%

  ソフトウエア株が上昇し、ハイテク銘柄の比重が高いナスダック100指数は1.1%高となった。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は約9%上昇。 メタ・プラットフォームズはこの日、AMDのプロセッサーを搭載したデータセンター機器を6ギガワット分導入すると発表した。AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)によると、一連の取引額は、1ギガワット当たり「数百億ドル規模」となる見込みだ。

関連記事:メタ、AMDからAIデータセンター用機器購入-数百億ドル規模

  また、AIスタートアップの米アンソロピックは同社のエージェント型ソフトウエア「Claude Cowork(クロード・コワーク)」向けの新たなAIツールを発表した。人事や投資銀行業務、デザインなどの分野で業務の自動化を図るものだ。数週間前に同社が発表したツールは、AIによって企業そのものが不要になる可能性への懸念を呼び起こし、市場を動揺させた。

関連記事:アンソロピック、AIエージェントを投資銀行・人事用ツールと連携

  バイタル・ナレッジのアダム・クリサフリ氏は、「Claude」が既存システムを置き換えるのではなく、統合する形で機能する点も強調されたと指摘。「アンソロピックが『われわれは害を与えるのではなく、支援する存在だ』と打ち出したことが、ソフトウエア株の反発につながっている」と述べた。

  JPモルガン・チェースでグローバル市場インテリジェンス部門を率いるアンドリュー・タイラー氏は「AIによる破壊的変化のリスクは目新しい話ではないが、悲観論は行き過ぎているように見える」と語った。

  アメリプライズのアンソニー・サグリンビーン氏によると、AIが特定の業種を置き換えるとの懸念は企業レベルでは一部正当化される可能性があるものの、市場全体ではこれまでの行き過ぎた楽観が修正されつつあるという。同氏は「こうした投資家心理の変化が続けば、バリュエーションが実態とかけ離れるリスクを抑え、市場の長期的な健全性にとってより前向きな環境につながり得る」と述べた。

  ゴールドマン・サックス・グループのアンドレア・フェラリオ氏らストラテジストは、AIによる破壊的変化や地政学的ショックへの懸念があるものの、景気循環が株式相場の下落リスクを抑えるとの見方を示す。

  「バリュエーションがやや高いことは小幅調整のリスクを高めるが、現在の楽観的なマクロ見通しと総じて良好な市場心理が、大幅な下落リスクを抑えるはずだ」と述べた。

  株式投資家は、25日の引け後に発表されるエヌビディアの決算にも身構えている。 

国債

  米国債相場で10年債利回りはほぼ横ばい。安全資産としての買いが一服した。前日は金融市場全般にリスク回避の動きが広がって国債が買われ、10年債利回りは昨年11月以来の水準に近づいていた。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.69%-1.6-0.35%
米10年債利回り4.03%0.40.09%
米2年債利回り3.46%2.50.73%
米東部時間16時40分

  ヌビーンのマクロクレジット責任者、ローラ・クーパー氏は「最近の相場上昇は、米国債が依然として安全資産としての特性を持つことを示したが、それは急激なリスク回避局面に限られる」と指摘。「持続的な上昇には、労働市場の急速な悪化や大幅な景気減速、あるいは大規模なリスク回避といった本格的なマクロショックが必要だ」と指摘した。

  短期債利回りは小幅に上昇した。市場が690億ドル規模の2年債入札を消化。今後2日間で5年債と7年債の入札も予定されている。2年債入札の落札利回りは3.455%と、2022年8月以来の低水準だった。市場では、年内に少なくとも2回の利下げが実施されるとの見方が強まっている。

為替

  外国為替市場では、円相場が軟調。アジア時間に対ドルで一時156円28銭まで下落した後は、156円を挟んだ推移となった。高市早苗首相が日本銀行の植田和男総裁との16日の会談で追加利上げに難色を示したとの毎日新聞の報道が、円の圧迫材料になっている。

  テレサ・アルベス氏らゴールドマン・サックス・グループのストラテジストは「日銀の利上げペースが緩やかなものにとどまるなら、金融・財政政策の一段の連携観測が円の重しとなり続けるだろう」とリポートで指摘。「今週予定されている高市首相による日銀審議委員の指名は、同氏の政策姿勢を測る『リトマス紙』と受け止められる可能性がある」と記した。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1189.840.460.04%
ドル/円¥155.92¥1.270.82%
ユーロ/ドル$1.1775-$0.0010-0.08%
米東部時間16時41分

  ドル指数はほぼ横ばい。早い時間帯には一時0.2%上昇していた。この日発表の米経済指標では、2月の消費者信頼感指数が前月の89.0から91.2に上昇。今後6カ月の見通しを示す期待指数は72と、昨年7月以来の大幅上昇となった。

関連記事:米消費者信頼感指数は小幅に上昇、景気・雇用の見通し明るさ増す

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの市場戦略グローバル責任者、エリアス・ハダッド氏は、米消費者信頼感指数が予想以上に改善したと指摘。「米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げ再開を急がなくてもよいだろう」と述べた。

  市場では、トランプ米大統領の一般教書演説にも注目が集まる。関税政策を巡る不透明感やイランとの緊張など、投資家の関心は高い。

関連記事:トランプ氏は一般教書演説で何を語るのか-関税やイラン攻撃も注目点

原油

  ニューヨーク原油先物相場は続落。核合意を目指す米国とイランの外交交渉の行方が意識された。

  この日は、イランが可能な限り早期に米国との合意に達する用意があるとの米公共ラジオ(NPR)の報道がSNS上で広まった。市場は中東情勢と関連のあるニュースに敏感に反応するが、トレーダーの間には、イランが実際に交渉に臨む準備があるかについて懐疑的な見方もある。

  CNNは国防当局者の話として、米国が24日にステルス戦闘機「F22」をイスラエルに配備し、中東における軍事力の大幅増強を進めていると報道。緊張が収まる気配は乏しいとの兆しが強まったことで、原油の下げは限定的となった。

  核合意に向けた交渉は、26日にジュネーブで再開される予定だ。ウィトコフ米特使とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏は、イランのアラグチ外相と再び会談する。

  USBの商品アナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「短期的には中東での緊張が価格に大きく影響するだろう」と分析した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前日比68セント(1%)安の1バレル=65.63ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は72セント(1%)下落し70.77ドル。

  金スポット相場は5営業日ぶりに下落。前日までは、米通商政策を巡る不確実性や中東での緊張の高まりを背景に続伸していた。

  前日までの4営業日では7%余り上昇。米国とイランの間で緊張が続いたほか、連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効と判断する中、安全資産を求める動きが広がった。

  最高裁の判断を受けてトランプ氏が世界的な関税を15%に引き上げる方針を示したことで、市場は混乱している。10%の関税を認める大統領令は24日に発効した。15%関税の実施時期はまだ確定していない。

  インベスコで日本を除くアジア太平洋地域の顧客ソリューション責任者を務めるクリストファー・ハミルトン氏は「関税を巡る報道が不透明感を高め、金を下支えしている面はあるが、決定的な上抜けをもたらすには至っていない」と指摘。「実質金利がなお比較的高水準で、ドルも底堅いことから、短期的には大きなトレンドを形成するより、値固めが続く公算が大きい」と述べた。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時54分現在、前日比72.52ドル(1.4%)安の1オンス=5154.90ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、49.30ドル(0.9%)下落し5176.30ドルで引けた。

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