• エヌビディア株、オプション市場は決算翌日に約5%変動を見込む
  • リスク選好回復で米国債は下落、円は主要10通貨の中で最も軟調
エヌビディア決算を控えS&P500種は続伸
エヌビディア決算を控えS&P500種は続伸Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

25日の米株式市場でS&P500種株価指数は続伸。引け後に発表される半導体大手エヌビディアの決算では、人工知能(AI)を巡る成長ストーリーに揺らぎはないことを示す手掛かりが期待されている。

  投資家のリスク選好回復で米国債相場は下落。外国為替市場では円の軟調が目立った。円は対ドルで一時、156円台後半まで下落した。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6946.1356.060.81%
ダウ工業株30種平均49482.15307.650.63%
ナスダック総合指数23152.08288.401.26%

  「エヌビディアが好調な決算になるとの見方は広く共有されているが、それが十分に強い内容かどうかが焦点だ」と、ベスポーク・インベストメント・グループのストラテジストは指摘。「仮に強過ぎる内容となれば、ソフトウエア分野で一段と破壊的混乱が進むとの解釈につながる可能性もある」と述べた。

  オプション市場では、エヌビディア株が決算発表翌日に上下いずれかに約5%変動することが織り込まれている。直近2回の決算発表後はいずれも、翌営業日に下落している。

  ナベリエ・アンド・アソシエーツのルイス・ナベリエ氏は「予想をしっかり上回る決算、そして何よりも強い業績見通しが示されれば、AIを巡る成長ストーリーは改めて裏付けられる」と指摘。一方で「慎重な姿勢を示す兆しがあれば、相応のボラティリティーが生じる可能性がある」と語った。

  このところ、投資家の神経質な姿勢が際立っている。今週初めにはシトリニ・リサーチが将来を想定した仮説シナリオを用いて各業界に対するAIの潜在的リスクをまとめたリポートを公表し、市場に衝撃が走った。

  ウルフ・リサーチが実施した調査によると、市場を揺さぶってきたAIの「破壊的影響」は概して「誇張されている」と大半の投資家が考えている。一方で、物色の広がりは続いているとの見方が示されたという。

関連記事:「荒唐無稽」、「SF小説」-AIディストピア描いたシトリニに反論続々

  アンドリュー・ポーカー氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは、AI脅威論に関連した足元の値動きは、強固な立場にある既存企業や価格決定力を持つAI導入企業に投資機会をもたらしていると指摘。また、1万件超の決算資料やカンファレンスコールの記録を分析したところ、AI導入による定量的な効果を確認している企業の割合は着実に増加しているという。

国債

  米国債相場は下落(利回りは上昇)。テクノロジー株が上昇するなど投資家のリスク選好が回復し、安全資産への需要が後退した。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.70%1.30.29%
米10年債利回り4.05%2.10.52%
米2年債利回り3.47%1.00.29%
米東部時間16時13分

  長期債を中心に米国債は過去約1カ月、複数の要因から追い風を受けてきた。ただ、10年債利回りが約4%と重要な節目付近で推移し、3カ月ぶりの低水準に近づくなか、さらなる相場上昇には新たな材料が必要になる可能性がある。

  クレジットサイツのマクロ戦略責任者ザカリー・グリフィス氏は、市場は「泥沼にはまっているようだ」と述べた。

  700億ドル規模の5年債入札では落札利回りが3.615%と、応札締め切り直前の3.608%を上回った。プライマリーディーラーの落札比率は12.8%と、2025年3月以来の高水準になり、投資家需要の弱さが示唆された。

  オックスフォード・エコノミクスのジョン・カナバン氏は「この1カ月の上昇幅を踏まえると、5年債の水準は投資家から強い需要を引きつけるにはやや割高に映った」と指摘。今回の結果は、国外勢や投資ファンドからの需要に一服感が出ている可能性を示していると語った。

  米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定会合日程に連動するスワップ市場では、6月までに0.25ポイントの利下げが実施される確率が50%となっている。年内に3回目の利下げが行われる可能性はほぼ消えた。

為替

  外国為替市場ではドル指数が下落。貿易を巡る不透明感が重しとなった。トランプ米大統領は一般教書演説で、自身の政策と経済実績を強く弁護。連邦最高裁が関税措置を無効としたことを受けても、別の手段を通じて貿易関税を課す方針を改めて示した。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1187.42-2.42-0.20%
ドル/円¥156.45¥0.580.37%
ユーロ/ドル$1.1806$0.00340.29%
米東部時間16時13分

  マネックスのアンドリュー・ハズレット氏は「ドルはトランプ氏の政策に起因する構造的圧力で勢いを失っている」と指摘。「新たな関税とそれが貿易政策に及ぼす影響が、ドルのセンチメントを大きく圧迫している」と語った。

  円は対ドルで下落。一時1ドル=156円80銭台まで売られ、主要10通貨の中で最も軟調となった。日本銀行の審議委員にハト派とみられる2人が指名されたことが背景にある。

  政府は25日、今年任期満了を迎える日銀審議委員2人の後任人事案を国会に提示した。いずれも金融緩和と積極財政を重視するリフレ派とされる学者で、高市早苗首相の政策スタンスを色濃く反映するものとなった。

関連記事:日銀審議委員候補にリフレ派2人、緩和路線に影響も-過去の発言集

原油

  ニューヨーク原油相場は続落。石油輸出国機構(OPEC)の増産抑制見通しと弱気な米政府統計が影響した一方、米軍がプレゼンスを高めている中東の緊張激化という地政学的リスクも重視された。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は、およそ1.50ドルのレンジ内で推移した。トランプ米大統領は前日の演説で、イランが核プログラム再開に取り組んでいると述べ、米軍が武力行使の準備を進めているとの観測が一段と広がった。

  「私の望みは外交を通じてこの問題を解決することだ。だが一つ確かなのは、世界最大のテロ支援国家である彼らに核兵器を持たせることは決してないということだ」とトランプ氏は述べた。

関連記事:イラン情勢緊迫、原油価格への影響は-ホルムズ海峡封鎖はあるのか

  2隻の空母を含む米軍の中東展開は、2003年のイラク侵攻を前に兵力を集結させて以来の規模となっている。さらにはF-22ステルス戦闘機12機をイスラエルに配備したと、CNNが伝えた。

  ボルテクサの米州市場分析責任者、サマンサ・ハートキー氏は「不確実性の領域を抜け出せない限り、米・イラン交渉に関するどのようなニュースに対しても、原油価格は上振れしやすい」と分析。「イランの貿易と歳入に深刻な影響を及ぼすことから、長期的な混乱になる可能性は低いと当社ではみている」と述べた。

  イランはここ数日、タンカーへの原油積み込みを加速させている。米国による攻撃に備えた動きの可能性がある。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前日比21セント(0.3%)安い1バレル=65.42ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は8セント(0.1%)上昇の70.85ドル。

  ニューヨーク金相場は反発。米国の輸入関税を巡る不確実性と、中東の緊張激化が影響している。銀も値上がりした。

  金スポット価格は一時1.4%高まで買い進まれ、前日に下げた分の大半を取り戻した形となった。米通商政策を巡る不透明感が、ここ数日の金相場を支えてきた。26日に予定されているイランとの核交渉を控え、米軍が中東に大規模な軍事力を集結させていることも、金を押し上げている。銀はオンス当たり90ドルを超えた。

  金相場はオンス当たり5000ドルを超えたところに支持線を見いだした。今月初めには歴史的な大幅続落となったが、そのうち半分以上を取り戻した形だ。

  JPモルガン・プライベート・バンクのアジア・マクロ戦略責任者、ユシュアン・タン氏は「上値突破の環境が整いつつあるようだ」と話す。関税の不確実性とイラン・リスクなどは「より持続性のあるシフトを後押しするのに十分かもしれない」と述べた。

  トランプ関税の大部分が最高裁によって無効と判断されたことを受け、一部の輸入業者は政府に返還を求めている。

関連記事:トランプ関税還付に向け、原告側の中小企業が行動開始-無効判断受け

  金スポット価格はニューヨーク時間午後3時37分現在、前日比43.48ドル(0.9%)高の1オンス=5187.33ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、49.90ドル(1%)高の5226.20ドルで引けた。

原題:Stocks Climb as Traders Look to Nvidia for AI News: Markets Wrap

Bond Rally Stalls as Rising Risk Appetite Dulls Haven Demand (1)

Dollar Drops as Aussie Nears Three-Year High on CPI: Inside G-10

Oil Steadies as Traders Await Upcoming US-Iran Nuclear Talks

Gold Rises as Traders Weigh Tariff Risks and Middle East Tension