
日本銀行の高田創審議委員は26日、物価の上振れリスクも踏まえて段階的な利上げを行う必要があるとの見解を示した。京都市内で講演した。
高田氏は、今後海外中心に物価上昇要因が生じた場合、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスク」を指摘。その上で、金融政策運営について「もう一段ギアシフトを行いつつ、物価安定の目標の実現におおむね達していることを前提にしたコミュニケーションを行う必要がある」と語った。
今年は「2025年に世界が一致した利下げ局面から一転し、金利上昇への転換に向かう可能性がある」と説明。世界的な景気回復と利上げが生じる場合、日銀の政策対応が遅れるビハインドザカーブが意図せずに生じるリスクにも言及した。
日銀は昨年12月に30年ぶりの高水準となる0.75%に利上げした。政策委員で最もタカ派と位置付けられる高田氏は、政策金利を維持した1月の金融政策決定会合で、物価目標はおおむね達成されているとして1.0%への利上げを提案したが、反対多数で否決された。今回の講演でも追加利上げの必要性を強調した。
他の発言
- 金融政策、段階的にギアシフトを行っていく途上
- データや緩和度合い確認し、段階的に対応していく必要
- 物価上昇の二次的な影響も生じやすくなっている
- 為替市場は実質金利差にも着目、物価動向に留意必要
- 例外的な状況では国債買い入れを含めた柔軟な対応の検討も必要
- 長期金利の動き注視し、市場とのコミュニケーション行う
- 国債市場の動向をしっかりとみていく必要がある
円相場は一時1ドル=155円70銭台と、講演開始後の156円ちょうど付近から円高方向に振れた。植田和男日銀総裁が利上げを続ける姿勢を示したとの報道に加え、高田氏が改めて利上げに前向きな姿勢を示したことも円買いを促した。
1月会合の「主な意見」では、政策対応が遅れるリスクに複数の委員が言及するなど、追加利上げに積極的な意見が目立った。一方、利上げに慎重とされる高市早苗首相は25日、新たな2人の日銀審議委員候補に金融緩和と積極財政を重視するリフレ派を指名。市場では利上げ観測がやや後退している。

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