- ハイテク株が軟調、エヌビディア決算で不安払拭に至らず
- 米イランは3回目の核協議終了、来週に実務者会合を継続

Rita Nazareth
26日の米株式市場でS&P500種株価指数は反落。前日引け後に発表されたエヌビディアの決算が一部の高い期待に届かず、人工知能(AI)を巡る不安を払拭するには至らなかった。一方で米国とイランの核協議には進展の兆しが見られ、同指数は日中安値からは持ち直した。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 6908.86 | -37.27 | -0.54% |
| ダウ工業株30種平均 | 49499.20 | 17.05 | 0.03% |
| ナスダック総合指数 | 22878.38 | -273.70 | -1.18% |
エヌビディアは5%を超える下落。S&P500種構成銘柄は多くが上昇したものの、半導体株の下げが相場の重しとなった。フィラデルフィア半導体株指数は3.2%安、ハイテク銘柄の比重が高いナスダック100指数は1.2%下落した。
エヌビディアが前日引け後に発表した決算は、売上高や純利益、業績見通しが予想を大きく上回った。それでも投資家が熱狂的な買いに走らなかった理由について、ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのハーディカ・シン氏は、そもそもエヌビディアがこれらの指標で投資家を失望させることはほとんどないためだと語った。
その上で「進化するコンピューティングの世界で同社の競争優位が縮小しているのではないかとの懸念を和らげる点や、幅広い業種を根底から覆しかねないAIの破壊的変化の中で同社がどう戦っていくのかという戦略を説明する点では不十分だった」と述べた。

ミラー・タバクのマット・メイリー氏は、3月に向けて相場の逆風となり得る要因が複数あると指摘。AIを巡る収益性懸念や、AIが複数の業界に与える打撃への懸念、プライベートクレジット市場を巡る不安などを挙げ、来月の株式相場は厳しい展開となる可能性があるとの見方を示した。
その上で「市場ではモメンタムが非常に強い力を持つ。仮に3月にかけて一段高となれば、2022年の弱気相場の安値を起点とする上昇が、さらに加速する可能性もある」と付け加えた。
ブルームバーグのマクロストラテジスト、タチアナ・ダリー氏は「今決算シーズンでは、株価の値動きがファンダメンタルズを行き過ぎていることを示す証拠が数多く見られた」とした上で、「しかし重要なのはそこではない。好材料でさえ投資家心理を押し上げられない状況にあり、株式市場にとっては危うい局面に入っている」述べた。
同氏は、リスク回避の動きがテクノロジー株にとどまらず、市場全体に広がる恐れがあるとみている。
国債
米国債相場は年限全般で上昇(利回りは低下)。テクノロジー株が売られる中で国債が買われる流れとなり、10年債利回りは昨年11月以来の低水準をつけた。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.66% | -3.3 | -0.70% |
| 米10年債利回り | 4.01% | -4.2 | -1.04% |
| 米2年債利回り | 3.44% | -3.5 | -1.00% |
| 米東部時間 | 16時11分 |
BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンゲン氏は「テクノロジー株のバリュエーションを巡る不確実性が米国債への堅調な需要につながり、10年債利回りを再び4.02%未満に押し下げた」と述べた。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・ルバ氏は「きょうの取引は、株式から長期債への明確なリスクオフのローテーションだ」と指摘。「国債には月末の買いも入っている。2月は指数連動型の投資家にとってリバランスが比較的多い月でもある」と語った。

30年債利回りは一時3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して4.67%となり、こちらも昨年11月以来の低水準。住宅ローン金利も下がり、30年物固定ローン金利は2022年以来となる6%割れとなった。
関連記事:米住宅市場に春の兆し、30年物固定ローン金利が2022年以来の6%割れ
為替
外国為替市場ではドルが小幅高。先週の米新規失業保険申請件数は小幅に増加したものの、市場予想ほどには悪化しなかったことが支援材料となった。
関連記事:米新規失業保険申請は小幅増加、予想ほど悪化せず-祝日含む週
同統計について、マネックスのアンドリュー・ハズレット氏は「労働市場よりもインフレに焦点を置く必要があることを改めて示すものだ。これは利下げが年後半になるとの見方を支える」と述べた。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1188.05 | 0.55 | 0.05% |
| ドル/円 | ¥156.14 | -¥0.23 | -0.15% |
| ユーロ/ドル | $1.1800 | -$0.0010 | -0.08% |
| 米東部時間 | 16時11分 |
リスク資産が総じて売られるなか、安全資産への資金流入や月末要因のフローもドルを下支えした。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは「月末のリバランスがドルに一定の支えとなる可能性はあるが、ドルを巡っては強弱まちまちのシグナルが出ており、引き続き慎重姿勢を維持する」と26日のリポートに記した。
円相場は対ドルで上昇。1ドル=155円台後半から156円台前半で推移した。日銀の高田審議委員の講演などを受けて買われる流れが続いた。日本銀行政策委員の中で利上げに最も積極的なタカ派の高田創審議委員は26日、段階的な利上げを行う必要があるとの見解を示した。
原油
ニューヨーク原油先物相場は小幅安。米国とイランの協議の状況を巡る相反する報道を受け、日中は方向感なく上下に振れた。
米国とイランは3回目の核協議を終えた。トランプ大統領が示す合意期限まで残り数日となっている。協議の仲介役を務めるオマーンは、来週にウィーンで「実務者レベル」の交渉を再開すると明らかにし、米軍による差し迫った軍事行動への懸念は和らいだ。
引け間際には弱材料が重なった。ニュースサイトのアクシオスは米当局者が協議について「前向き」と表現したと報道。イランのアラグチ外相も国営テレビで同様に、慎重ながらも楽観的な認識を示した。
これより先、イランは濃縮ウランの国外への持ち出しを認めないと同国国営メディアが報じたことを受け、原油相場は一時上昇していた。
ウラン濃縮は依然として双方にとって主要な争点となっている。米国はイランに対し、残存する濃縮ウランを米国に引き渡すよう求めたと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は報じた。この問題で合意に至らなければ、米軍が中東で軍事行動に踏み切る可能性が浮上する。
原油相場は、年内の世界的な供給過剰という弱気見通しと、イランを巡る地政学リスクの高まりという強材料の間で揺れている。
26日には市場軟化の兆しも現れた。主要指標の一つがブレント原油に関して、限月交代日を除けば2024年以来となる供給過剰を示唆した。ブレントとウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の価格差は、一時バレル当たり5.89ドルまで拡大した。
UBSグループの商品アナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「北海市場には弱さの兆しが見られるが、市場の焦点はジュネーブ協議の結果にある」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前日比21セント(0.3%)安の1バレル=65.21ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は10セント(0.1%)下げて70.75ドル。
金
金スポット相場は上昇。日中は上げ下げを繰り返す方向感に乏しい展開となった。市場は中東での地政学的緊張と、米国の関税が世界の貿易に及ぼす影響を見極めようとしている。
中東での米軍増強で世界市場の緊張が高まる中、金価格は過去6営業日で6%近く上昇。米国とイランは26日、3回目の核協議を実施した。トランプ大統領は、イランに3月1-6日頃までの合意を迫っており、合意に至らなかった場合は軍事攻撃を行うと脅している。

一方、トランプ政権は関税政策の維持に向けた措置を進め、既に緊張している貿易相手国との関係にさらなる摩擦を加えている。通商代表部(USTR)のグリア代表は、トランプ氏は「適切と判断される場合」に世界的な関税率を15%に引き上げる大統領令に署名するとの見通しを示した。
オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)のストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は、最近の金の動きは「新たな関税を巡る不透明感と地政学的懸念の再評価を反映している」と指摘。市場が最新のニュースや米金融政策、ドルの動きを消化する中、金相場は上下両方向へのもみ合いが続く可能性が高いと述べた。
金スポット価格はニューヨーク時間午後222分現在、前日比24.39ドル(0.5%)高の1オンス=5189.17ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は32ドル(0.6%)下落し5194.20ドルで引けた。
原題:Stocks Pare Slide as Oil Whipsaws on US-Iran Talks: Markets Wrap
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