• パラマウントの買収修正案の方が「より優れた提案」とワーナーは判断
  • 経済的魅力なく、パラマウントの提案に合わせることをNetflixは断念
Netflix本社(ロサンゼルス)
Netflix本社(ロサンゼルス)Photographer: Ethan Swope/Bloomberg

Jim Silver

米動画配信大手Netflixは、米メディア・映画大手ワーナー・ブラザース・ディカバリーに対する買収条件の引き上げを断念すると明らかにした。Netflixがワーナー買収レースから撤退することで、米パラマウント・スカイダンスによる1110億ドル(約17兆3000億円)での買収に道が開かれた。

  ワーナーは26日、パラマウント・スカイダンスが1株31ドルを提示した買収修正案の方が「より優れた提案」との判断を示していた。

  Netflixは26日の発表資料で、「われわれが交渉で取り決めた取引は、規制・監督当局による承認が確実で、株主価値の創出につながるはずだった。しかし、パラマウント・スカイダンスの最終提案への対抗に必要な価格は、経済的に魅力的でなく、同社の提案に合わせることを断念する」と説明した。

  買収断念の方針が伝えられたことを受け、26日の米株市場の時間外取引で、Netflixの株価は一時13%上昇した。買収レースからの撤退を投資家が歓迎する様子がうかがえる。パラマウント・スカイダンスの株価は一時4%上げた。ワーナー・ブラザースは2%下落した。

  Netflixは昨年12月、債務引き受けを含め、ワーナーのスタジオおよびストリーミング事業を827億ドルで買収する合意を発表。しかしパラマウントは対抗買収案を繰り返し提示し、同社から買収提案の方が優れているとワーナーは最終的に判断した。

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  オンラインTVの先駆者であるNetflixは、世界3億2500万人を超えるユーザーがテレビ番組や映画を月額制で視聴する収益性の高い事業を確立した。

  伝統的な映画・テレビ制作会社のパラマウントやワーナーも自社のストリーミングサービスを展開しているが、従来型のネットワークから視聴者と広告主が離れる中で、加入者ベースは新興ライバルに見劣りする。

  デービッド・エリソン氏率いる米独立系映画製作会社スカイダンス・メディアは昨年、米メディア・映画大手パラマウント・グローバルのオーナー企業ナショナル・アミューズメンツを買収し、パラマウントとの事業統合を実現した。エリソン氏はパラマウントの映画スタジオ、ストリーミングサービス、CBSやMTVといったテレビネットワークも掌握した。

  オラクル創業者で世界的富豪のラリー・エリソン氏の支援を受けるパラマウントは、トランプ大統領との長年の結び付きを誇示してきた経緯がある。

原題:Netflix Drops Warner Bros. Bid, Leaving Paramount the Winner (1)(抜粋)