• 「脅しがあっても当社の立場は変わらない」とアデモイCEO
  • 国防総省は安全策を巡るアンソロピックの要求を拒否
アンソロピック共同創業者のダリオ・アモデイCEO 
アンソロピック共同創業者のダリオ・アモデイCEO Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

Marisa CoultonMaggie Eastland

人工知能(AI)スタートアップの米アンソロピックは26日、同社の人工知能(AI)ソフトウエアの軍事利用の条件を巡り、国防総省が示した最新提案の受け入れを拒否した。双方の対立は、政府向け防衛関連業務の拡大を目指す同社の取り組みを損ないかねない状況にある。

  アンソロピックの広報担当者は声明で、同省が妥協案として提示した新たな文言では、同社がAIツールのあらゆる軍事利用に関して維持を求めてきた主要な安全策を守るには不十分だと指摘した。これには、米国民に対する大規模監視や、同社技術を完全自律型兵器に使用することを禁じる内容が含まれる。

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  国防総省はこうした要求を拒否し、政府側の条件を27日までに受け入れなければサプライチェーン上のリスクと認定するとアンソロピック側に通告している。そうなれば、同社は他の防衛請負業者との取引から排除される可能性がある。軍としては、アンソロピックによる制限を受けない形で、同社のAIツールを合法的に利用したい意向だと、米当局者は説明している。

  アンソロピックのダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は声明で、「このような脅しがあっても当社の立場は変わらない。良心に照らして彼らの要求を受け入れることはできない」と表明した。

  国防当局者はこれに反発。機密クラウド業務での利用が承認されている数少ないAIツールの一つ「Claude(クロード)」について、アンソロピックからの制約なしに使用できるよう求めている。国防総省はまた、同社の反対を押し切ってでも同社のソフトウエアを使用するため、冷戦期に制定された1950年国防生産法(DPA)を発動する可能性も示唆している。

  国防総省のパーネル報道官は26日、大規模監視や「人間の関与なしに作動する自律型兵器」の開発に同省は関心がないと表明していた。

  パーネル氏は「いかなる企業にも、われわれがどのように作戦上の意思決定を行うかに関し条件を指図させることはない」とXに投稿。「米東部時間27日午後5時1分(日本時間28日午前7時1分)までに判断する猶予がある。それ以降はアンソロピックとの提携を打ち切り、同社をサプライチェーン上のリスクと見なす」と警告した。

原題:Anthropic Spurns Latest Pentagon Bid to Defuse Feud Over AI Work(抜粋)