▽アンソロピック、米国防総省がサプライチェーン上のリスクに指定<bloomberg日本語版>2026年2月28日 at 7:24 JST

  • トランプ氏が連邦政府機関に対しアンソロピック利用停止命じた直後
  • アンソロピックはAIの軍事利用を巡り、国防総省と対立
ヘグセス米国防長官
ヘグセス米国防長官Photographer: Bonnie Cash/UPI

Lauren Dezenski

米国防総省は27日、人工知能(AI)開発大手アンソロピックをサプライチェーン上のリスクに指定した。トランプ米大統領がアンソロピックの製品を使用しないよう米政府機関に指示したことを受けたもので、AIの軍事利用を巡る同社と国防総省の対立が最終局面を迎えた。

  ヘグセス米国防長官はX(旧ツイッター)への投稿で、国防総省の請負業者およびその提携先に対し、アンソロピックとのあらゆる商業活動を禁止するよう命じた。同社がAIサービスを他の事業者に引き継ぐまでの猶予期間を6カ月に設定した。

  ヘグセス氏は、「米国の戦闘員がビッグテックのイデオロギー的な気まぐれの人質になることは決してない」とした上で、「この決定は最終的なものだ」と書き込んだ。

  今回の指定は、トランプ氏が連邦政府機関に対しアンソロピックの利用停止を命じた直後に行われた。同氏は、詳細には言及せずに、引き継ぎ作業に協力しなければ「重大な民事・刑事責任」を問われる可能性があると警告していた。

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  トランプ氏は「アンソロピックの正気を失った左翼連中は、『戦争省』を力ずくで憲法ではなく自社規約に従わせようとした。壊滅的な誤りだ」とソーシャルメディアに投稿。「したがって、私はすべての米連邦機関に対し、アンソロピックの技術使用を直ちに一切停止するよう指示する」と表明していた。

  アンソロピックの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。

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  今回の決定は、数千億ドルを投じてAI技術に投資してきたAI企業や、連邦政府案件の獲得を模索する各社に衝撃を与える見通しだ。アンソロピックが国防総省向けに合意していた最大2億ドル(約310億円)規模の業務や、国務省を含む文民機関との契約が打ち切られることになる。

  ヘグセス氏は27日午後5時1分(日本時間28日午前7時1分)を期限に、国防総省がアンソロピックのチャットボット「Claude(クロード)」を、法の範囲内であれば同社の利用制限を伴わずにいかなる目的にも使用できるよう認めるよう同社に求めていた。アンソロピックは、Claudeを米国民の大規模監視や、完全自律型兵器の運用に使用しないよう主張してきた。

  創業以来、アンソロピックはAIによる壊滅的な悪影響を回避することを理念の一つに掲げ、AIの責任ある利用を重視する企業と自社を位置付けてきた。こうした姿勢により同社のダリオ・アモデイ最高経営責任者(CEO)は、国防総省から「ウォーク(社会正義に目覚めた)」的な慣行を排除すると誓うヘグセス氏と激しく対立する事態となった。

  アンソロピックが政府から排除されれば、安全保障上の課題が生じる可能性がある。アンソロピックは最近まで、国防総省の機密クラウド上で稼働できる唯一のAIシステムだった。国防総省の職員の間では、「Claude Gov」が使いやすさから好まれる選択肢となっている。

原題:Anthropic Designated Supply Chain Risk, Loses US Work in AI Feud(抜粋)

▽トランプ氏、アンソロピック製品の使用停止を政府機関に指示<ロイター日本語版>2026年2月28日 at 6:01 JST

  • アンソロピックはAIの軍事利用を巡り、国防総省と対立
  • トランプ氏、「正気を失った左翼連中」とアンソロピックを中傷
トランプ米大統領
トランプ米大統領Photographer: Kenny Holston/Getty Images

Josh Wingrove

トランプ米大統領は27日、人工知能(AI)開発大手アンソロピックの製品を使用しないよう米政府機関に指示した。AIの軍事利用を巡る同社と米国防総省の対立に、大統領が終止符を打った。

  トランプ氏は国防総省を含め、現在アンソロピック製品を使用している全ての政府機関に、6カ月の「段階的な使用停止期間」を設けると述べた。

  「アンソロピックの正気を失った左翼連中は、『戦争省』を力ずくで憲法ではなく自社規約に従わせようとした。壊滅的な誤りだ」とトランプ氏はソーシャルメディアに投稿。「したがって、私はすべての米連邦機関に対し、アンソロピックの技術使用を直ちに一切停止するよう指示する」と続けた。

  アンソロピックの広報担当者にコメントを求めたが、現時点で返答は得られていない。

関連記事:軍事AI巡るアンソロピックと国防総省の対立、テック業界に波紋広がる

原題:Trump Orders US Agencies to Drop Anthropic After Pentagon Feud(抜粋)

▽軍事AI巡るアンソロピックと国防総省の対立、テック業界に波紋広がる<bloomberg日本語版>2026年2月28日 at 5:19 JST

  • アルファベットやオープンAI従業員ら、アンソロピックへの支持表明
  • 国防総省は国防生産法の発動示唆、法廷闘争に発展するのはほぼ確実
AIの軍事利用を巡る米国防総省とアンソロピックの対立は、シリコンバレー全体を巻き込んだAIの安全性に関する争いに発展する様相を呈してきた
AIの軍事利用を巡る米国防総省とアンソロピックの対立は、シリコンバレー全体を巻き込んだAIの安全性に関する争いに発展する様相を呈してきたPhotographer: Gabby Jones/Bloomberg

Jen JudsonMaggie EastlandKatrina Manson

人工知能(AI)の軍事利用を巡る米国防総省とアンソロピックの対立は、シリコンバレー全体を巻き込んだAIの安全性に関する争いに発展する様相を呈してきた。

  アマゾン・ドット・コムやアルファベット、マイクロソフト、オープンAIの従業員を含む2つの労働者連合は、自社のAI製品の無制限使用を求める国防総省の要求を拒否し、アンソロピックと足並みをそろえるよう求めた。

  ソーシャルメディア上では、テック企業幹部によるアンソロピックへの支持も相次いでいる。

  アルファベット、マイクロソフト、アマゾンの社内組織などに属する従業員らは27日、「各社の経営陣は国防総省の要求を拒否するとともに、国土安全保障省(DHS)や税関・国境警備局(CBP)、移民・税関捜査局(ICE)を含む他の抑圧的な政府機関との契約について、従業員に透明性を提供しなければならない」と公開書簡で述べた。

  これとは別に、アルファベットやオープンAIの従業員らも今週、経営陣に対して見解の相違を乗り越え、「米国防総省が許可を求めている国内での大規模監視や人間の監督なしの殺傷を目的とするAI使用を団結して拒否すべき」と書簡で主張した。

前例なき措置

  争点となっているのが、アンソロピックのAIツール「クロード(Claude)」の用途制限だ。国防総省は制限なく利用することを求めているのに対し、アンソロピックは米市民への大規模監視や自律型兵器開発への使用に反対している。

  国防総省はアンソロピックが要求に従わない場合、大統領の権限で民間企業を統制できる「国防生産法(DPA)」を発動する構えだ。また同社をサプライチェーン上のリスクに指定する可能性を示唆している。

  国防生産法は、政府が緊急事態時に重要資源を確保できるようにすることが目的だ。トランプ大統領は1期目に新型コロナウイルス禍で医療品などの増産に同法を活用。バイデン前大統領は乳児用粉ミルク不足への対応で発動した。

  だが、冷戦時代の法律である同法を用いて新興テック企業に対して、ソフトウエアの利用方法を巡る国防総省の要求を受け入れさせるのは前例のない試みだ。

  またアンソロピックをサプライチェーン上のリスクに指定すれば、他の防衛関連企業との取引ができなくなる可能性がある。こうした指定は通常、中国やロシアのような国家支援を受ける組織が対象だ。

  ただ、こうした措置は数多くの法的問題を提起する。国防総省が実行すれば、法廷で争われるのはほぼ確実な見通しだ。

  いずれの措置も、アンソロピックの政府向け案件獲得に壊滅的な打撃を与える恐れがある。焦点となっているのは、同社が米軍向けに実施することで合意している最大2億ドル(約310億円)相当の業務だ。他の政府機関との契約も危うくなる可能性がある。

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原題:Anthropic’s Feud With Pentagon Mushrooms Into Broader BattleThe Cold War Era Law at the Center of Hegseth’s Anthropic Threat(抜粋)