- ルマイラ油田、ホルムズ海峡封鎖の影響で貯蔵スペースが逼迫
- UAEの石油貯蔵施設、迎撃されたドローン残骸落下で火災発生

米国・イスラエルとイランの軍事衝突によるエネルギー供給への影響が広がっている。原油・ガス価格は騰勢を強めており、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時、約7.9%上昇し1バレル77ドルに迫った。
石油輸出国機構(OPEC)で産油量第2位のイラクは、同国最大のルマイラ油田の生産停止に着手したと、事情に詳しい関係者が明らかにした。
エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖でタンカー船が出航できず、貯蔵スペースが逼迫(ひっぱく)しているため操業を停止する。非公開の情報だとして匿名を条件に関係者が語った。イラクは日量300万バレルの生産を削減する構えだという。
ホルムズ海峡の封鎖が続く場合、生産停止の規模は今後数日でイラクの総生産量の約3分の2に達する可能性があると関係者は述べた。
ルマイラは英BPがイラク政府およびペトロチャイナ(中国石油)と共同で管理している。BPのデータによると、同油田の生産量は2024年に日量140万バレル超、前年初め時点では約120万バレルだった。
また関係者によると、イラクはクルディスタン地域からトルコのジェイハン港への原油輸出を停止した。
イラン報復攻撃の余波
ホルムズ海峡の封鎖に加え、イランが報復攻撃として中東各地のエネルギー施設を標的にしている影響も広がっている。
アラブ首長国連邦(UAE)では、迎撃されたドローンの残骸が落下し、東部フジャイラの石油貯蔵施設で火災が発生した。
現地ではこれに先立ち、別の火災が報告されていたほか、2日には主要な貯蔵ターミナルと製油所の操業が停止された。
またカタール国営エネルギー企業のカタールエナジーは、アルミニウムおよび一部の化学製品の生産を停止した。同社では2日、世界の供給の約5分の1を担う世界最大のLNG輸出施設が無人機(ドローン)攻撃の標的になったとして操業停止に追い込まれていた。
一方、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、ペルシャ湾を避け、紅海沿岸の港湾都市ヤンブーへの原油輸送量増加を検討している。通常は原油の大半をペルシャ湾側の港から輸出しているが、ホルムズ海峡が封鎖され、ペルシャ湾で数十隻の船舶が滞留しているためだ。
原題:Iraq Starts Massive Oil Cuts as Hormuz Tensions Fill Storage (1)、UAE Reports Major Fire at Fujairah Oil Hub From Drone Debris、Iraq Halts Crude Oil Shipments Via Key Pipeline to Turkish Port(抜粋)