国民民主党の玉木雄一郎代表は、食料品にかかる消費税減税などを議論する「社会保障国民会議」への参加を表明した。読売新聞によると同党は会議への参加条件として、会議の公開など透明性の確保や、「有識者会議」の人選への関与などを与党側に求めてきた。玉木氏は「こちらの要請を受け入れてもらった」と説明した、とある。参加に一定の条件をつけ、これが実現したことを理由に参加を表明した。納得できる手続きであり、あるべき姿だと思う。高市政権からの再三の連立要請を拒否し、野党化した同党はこの先どうなるか懸念していた。一部同党幹部からは「来年度予算に反対する可能性もある」との発言も飛び出していた。与野党逆転でキャスティングボードを握っていた同党にとっては、自民党の歴史的大勝は驚天動地の出来事だったのだろう。「対決より解決」の路線そのものが怪しくなっていた。

同党は解散・総選挙の前は来年度予算の年度内成立に賛成していた。そのスタンスは選挙後、党幹部の発言のように変わっている。予算案そのものは選挙前も選挙後も変わっていない。同じ予算だ。キャスティングボードを握っている時は「賛成」で、巨大与党誕生後は「反対」に転じる。これは有権者に対する背信ではないのか。予算は予算、選挙の結果に関係なく前言を翻すべきではないと思う。だいたい来年度の予算案は6月の経済財政諮問会議の報告(骨太の方針)を受けて編成されたものだ。高市総理が作った予算というよりは、石破前総理の手になる予算と言ったほうがいい。27年度予算以降が「責任ある積極財政」を掲げる高市政権の予算になるはずだ。積極財政に対する同党の対応方針は承知していないが、手取りを増やすとの主張や控除額の引き上げは、そもそも積極財政を前提にしているようにみえる。予算編成の大改革を含め、現役世代の手取りを増やすためにもこれからの予算編成が極めて重要になる。

もう一つのポイントは、巨大化した与党を誰がチェックするか、という問題だ。今朝の一部新聞は自民党内に派閥復活の兆しがあると報じている。消滅寸前の中道改革連合の代表になった小川淳也氏は、相変わらず「解決より対決」を優先しているようにみえる。立憲民主党の一番悪い部分を引きずっているかのようだ。国会を機能させるためには健全野党が必要だと思う。“正論”で巨大与党を牽制する、国民民主党ならそれができる気がする。高市政権は多くの反対派に取り囲まれている。敵は野党というより自民党内だろう。積極財政を正しい軌道に乗せるのは至難の業だ。仮に巨大与党が暴走した時、玉木ー榛葉ラインは国民にその非を訴えることができのではないか。国民会議に参加して税制や社会保障に一定の道筋をつけるのも野党の責任だろう。仮にキャスティングボードを握っていた時代のように与党が動かなくても、3年後には確実に参議院選挙がある。一味違った野党として主導権を握るのも悪くない気がする。