- 両者は大量監視や完全自律型兵器へのAI利用の是非を巡って対立
- アンソロピック、AI関連業務を他社に切り替える同省の決定に異議

人工知能(AI)スタートアップの米アンソロピックは、米国のサプライチェーン(供給網)にリスクをもたらすと米国防総省から認定されたことを巡り、同省を提訴した。
同社は国民の大量監視や完全自律型兵器へのAI利用の是非を巡って国防総省と対立。制限なしでの利用を求める国防総省の要求をアンソロピックが拒否したことで、同省が同社をサプライチェーン上のリスクに指定していた。
このリスク指定は通常、米国が敵対国とみなす国の企業に適用されるものだ。アンソロピックは今回、この指定に基づき、同省および他の連邦政府機関がAI関連業務を他社に切り替える決定を下したことを不服として異議を唱えている。
「これらの措置は前例がなく、違法だ」と同社はサンフランシスコの連邦地裁に提出した訴状で指摘。その上で、政府が強大な権限を行使して企業を罰することを憲法は認めていないなどと述べた。
トランプ大統領はアンソロピックが要求を拒否したことを非難。政府機関に対し、同社のAIツール「クロード(Claude)」の使用停止を指示していた。
今回の訴訟では、国防総省のほか、十数の連邦政府機関も被告に含まれている。国防総省は現時点で訴訟に関するコメント要請に応じていない。
アンソロピックはサプライチェーン上のリスクに指定された後、「クロードに対する前例のない需要が見られる」と明らかにしていた。同社が軍事AI利用の制限を巡り、政府に抵抗していることを支持する動きとみられる。
一方、競合のOpenAIは、アンソロピックと米国防総省との対立を受けて、同省の機密ネットワークに自社のAIを導入することで合意したと明らかにした。だが、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はその後、国防総省と契約を急ぎ過ぎたとして、合意に追加条項を盛り込む作業を進めていると述べている。
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原題:Anthropic Sues US Government Over Supply Chain Risk Label (1)(抜粋)