- 戦争開始後の通航激減、イラン自身はホルムズ海峡で大量輸送を継続
- 他にも通過例があるかどうか確認困難、トランスポンダー停止のため
Alex Longley、Alaric Nightingale
サウジアラビア産原油100万バレルを積んだタンカーが、ここ数日内にホルムズ海峡を通過していたことがわかった。同海峡の航行がほぼ停止して以来、ペルシャ湾を出た最初の大型タンカーの一つだ。
ギリシャのダイナコム・タンカーズ・マネジメントが運航するタンカー「シェンロン」は4日、位置情報を発信する信号装置であるトランスポンダーを切った状態で、ホルムズ海峡へ向かって航行していた。同タンカーは9日朝、インド沿岸付近で信号を発信し始めた。
米国とイスラエルがイランとの戦争を開始して以降、同海峡の通航は激減しており、航行中の船舶はイランの攻撃を受けている。石油輸送の大きな部分が滞ったことを受け、米国は必要に応じて海軍による護衛や保険補償を提供すると申し出た。
米エネルギー省のライト長官は週末にFOXニュースのインタビューで、タンカー1隻がホルムズ海峡を通過したと語った。ただし船舶はトランスポンダーをオフにしているため、さらに多くの船が通過したかどうかを確認するのは困難だ。一方で中東地域の全体的な安全保障状況に、変化の兆しはほとんど見られず、船舶運航会社のほとんどは引き続きホルムズ海峡を避けている。

タンカートラッカーズによると、イラン自身はホルムズ海峡を通じた大量の石油輸送を継続している。2月28日の戦争開始以降、少なくとも1100万-1200万バレルのイラン産石油が海峡を通過したと同社は推定している。
戦闘開始以降、ホルムズ海峡近辺では複数の船舶が攻撃を受けている。海軍によれば、8日には特に攻撃などは確認されていないが、それはイラン側の姿勢に変化があったというより、一時的な小康状態とみるのが適切だ。中東地域などを航行する船の安全情報を提供している合同海事情報センターは、ホルムズ海峡周辺の商船・海洋エネルギーインフラに対する確かな脅威が引き続き存在するとしている。
ダイナコム社の代表者は、自社船舶に関するコメント要請に今のところ応じていない。
原題:Greek Oil Tanker Exits Strait of Hormuz With Its Signal Off (1)(抜粋)