- 将来的には日次での純資産価値公表や第三者の評価導入も視野
- プライベートクレジットファンド、デフォルト懸念などで解約請求増

プライベートクレジット(ノンバンク融資)ファンドの解約請求が相次ぎ市場が動揺する中、米オルタナティブ投資会社アポロ・グローバル・マネジメントは、不透明とされる自社のプライベートクレジット保有資産の価値について、投資家に対し、定期的な情報提供を行う取り組みを強化している。
アポロの幹部ジョン・ジト氏がインタビューで、クレジットファンドの純資産価値(NAV)を月次で公表する準備を進めていると明らかにした。将来的には、日次のNAV算出や第三者による評価の導入も目指すという。アポロの運用資産残高は9380億ドル(約148兆8500億円)。
通常なら資産が頻繁には売買されない1.8兆ドル規模のプライベートクレジット市場で、アポロは流動性や価格の透明性を高めようとしている。個人投資家向けファンドを支える資産の内容を巡る懸念が広がる中、競合他社にも同様の情報開示を促し、市場の透明性向上につながる可能性がある。
複数の大手プライベートクレジットファンドが、デフォルトの懸念や人工知能(AI)の影響を受けやすい企業向け融資を巡る不安を背景に、増加する解約請求への対応を迫られている。
ブラックロックは6日、主力の260億ドル規模の「HPSコーポレート・レンディング・ファンド」で解約を制限すると発表した。株主からは持ち分の9.3%相当の解約請求があったが、同社は買い戻し上限を5%とした。
投資家は、1-3月期(第1四半期)の解約請求に関する情報開示に注目している。
アポロは、非上場のビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC、企業向け融資を手がける投資ビークル)であるアポロ・デット・ソリューションズや、個人向けにプライベートクレジットやプライベートエクイティに投資するエバーグリーン型ファンド群など、投資家が定期的に資金を引き出せるファンドを十数本運用している。昨年ステート・ストリートと共同で立ち上げた一部プライベート債務を組み入れた上場投資信託(ETF)は、すでに日次での価格を算出している。
アポロのマーク・ローワン最高経営責任者(CEO)は昨年後半の決算説明会で、より幅広い投資家層を呼び込むには、プライベートクレジットの評価の透明性を高める必要があると述べた。
ローワン氏は「日次NAVの提供や価格提示、流動性の確保などができなければ、伝統的な資産運用会社は大規模にプライベート市場へ参入しないだろう」と語り、そのためには業界が「まったく新しい一連のスキル」を身につける必要があるとしている。
原題:Apollo Plans to Value Private Credit Daily in Answer to Critics(抜粋)