Parisa Hafezi, Alexander Cornwell
[ドバイ/テルアビブ 11日 ロイター] – イランは11日、原油価格が1バレル当たり200ドルに達する事態に備えるべきだと警告した。一方、国際エネルギー機関(IEA)加盟国は4億バレルの戦略石油備蓄を放出することで合意した。
米国防総省が戦争開始以来最も激しい空爆としている攻撃が続く中、イランはイスラエルや中東各地を攻撃し、なお反撃能力を維持していることを示した。
イスラエルのカッツ国防相は、この作戦は「全ての目標を達成し勝利するまで、時間的制限なく必要な限り続ける」と表明した。イスラエル軍当局者は、弾道ミサイル関連施設や核関連施設を含め、イラン国内にはなお攻撃対象となる広範なリストがあると述べた。
一方、トランプ米大統領は、作戦がそれほど長引かないとの認識を示した。米ニュースサイトのアクシオスに対し、「(イランに)標的は実質的に何も残っていない」とし、戦争は間もなく終結するだろうと語った。「私が終わらせたいと思えば、いつでも終わらせる」とも述べた。
米ABCニュースは、米連邦捜査局(FBI)が先月、イランが米西海岸に向けてドローン攻撃を仕掛ける可能性があると、カリフォルニア州警察に警告していたと報じた。これに対し、トランプ氏はイランが米国領土を攻撃する可能性を「懸念していない」と述べた。
米国務省は、イランおよび同国と連携する民兵組織が、イラクにある米国所有の石油・エネルギーインフラやホテルを標的とする可能性があると警告した。民兵組織が過去にイラク全土で米国人がよく利用するホテルを標的にしてきたと指摘した。
<「正当な標的」>
ホルムズ海峡を船舶が安全に航行できる兆しはまだない。情報筋によると、イランはホルムズ海峡に十数個の機雷を設置した。トランプ氏は記者団に、米軍がイランの機雷敷設船28隻を無力化したと明らかにし、原油価格は下がるだろうと語った。
米軍はイラン海軍施設のある港湾に近づかないようイラン国民に呼びかけた。これに対しイラン軍は、港湾が脅かされれば、中東の経済・貿易拠点は「正当な標的」になると警告した。
海事保安機関と関係筋によると、ホルムズ海峡付近でタイ船籍のばら積み貨物船が炎上した。商船三井(9104.T), opens new tabは、ペルシャ湾内で同社が保有・運航する船舶が損傷したと明らかにした。マーシャル諸島船籍のばら積み貨物船もドバイの北西で船体に損傷を受けた。

米国時間の原油先物は供給途絶への懸念が高まったことから5%近く上昇した。
<戦略石油備蓄放出>
一部の国ではすでにガソリン価格が急騰しており、11月に中間選挙を控える米国では、与党・共和党が世論調査で後れをとっている。こうした中、IEAは、石油価格安定に向けて世界の戦略備蓄から4億バレルを放出するよう勧告した。
バーガム内務長官はCNBCに対し、米石油会社が「価格シグナル」に応じて近く増産を発表するとの見通しを示した。
ただ、各国が戦略備蓄を放出できる速度には差があり、放出量もホルムズ海峡を通過する供給量のごく一部にとどまる。
イラン側は長期的な経済的打撃を与える意図を明確にした。イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」のハタム・アルアンビア中央司令部報道官は11日、原油価格が1バレル=200ドルに達する覚悟をするよう警告した。
また、テヘランの銀行への攻撃を受け、米国またはイスラエルと取引する銀行への攻撃で報復すると表明した。
<モジタバ師が負傷>
イランでは、空爆で死亡した軍司令官らの葬儀に大勢の市民が街頭に繰り出した。参列者は棺を担ぎ、殺害された最高指導者ハメネイ師や、その息子で後継者となったモジタバ師の肖像画や旗を掲げた。
イラン当局者は11日、ロイターに対し、モジタバ師が軽傷を負っているものの、職務は継続していると明らかにした。負傷した時期のほか、新指導者に選出されてからまだ公式に声明を出していない理由について明らかにしていない。
