- ジョーンズ法、米国内の港湾間輸送に米国製船舶の使用を義務付け
- 一時的な適用除外で、安価な外国籍タンカーによる輸送が可能に

トランプ米政権は米国内の港湾間輸送に米国製船舶の使用を義務付ける「商船法(ジョーンズ法)」の適用を一時停止する見通しだ。高騰する原油価格を抑制する狙いがある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
現在策定されている30日間の適用除外措置は、米国内の港湾間でエネルギーや肥料を輸送する船舶に広く適用される内容だ。非公開の情報だとして匿名を条件に関係者が語った。これにより、一般的に安価な外国籍タンカーによる輸送が可能になり、具体的には、メキシコ湾岸などから東海岸の精製業者に原油を運んだり、人口密集地に燃料を供給したりすることが考えられる。
ホワイトハウスのレビット報道官は声明で「国家防衛上の利益の観点から、重要なエネルギー製品と農業必需品が米国内の港湾へ円滑に流通するよう、政権はジョーンズ法の適用を期間限定で除外することを検討している」と説明。その上で「この措置は最終決定されていない」と述べた。
米国とイスラエルによる対イラン攻撃に伴い、原油やガソリン価格が急騰する中、トランプ大統領は価格上昇を抑制する複数の選択肢を検討している。11日には戦略石油備蓄から1億7200万バレルの石油を来週から放出すると発表した。国際エネルギー機関(IEA)加盟国による石油備蓄4億バレルの協調放出の一環となる。
自然災害後の燃料不足などに対応するため、ジョーンズ法の適用を一時的に除外したケースはこれまでもあるが、政治的にはリスクを伴う。1920年制定の同法は造船会社や船舶運航会社、一部議員が強く支持している。
ホワイトハウスの当局者は12日、同措置が米国の造船業に影響を与えることはないと政権が確約できると述べた。
米国が前回、ジョーンズ法の適用を除外したのは2022年10月で、大型ハリケーン「フィオナ」で被災したプエルトリコに物資を運ぶタンカーが対象となった。
バイデン前政権は21年にも、東海岸の主要燃料パイプラインに対するサイバー攻撃を受け、精製会社バレロ・エナジー向けに同法の適用を一時的に除外した。
原題:US to Ease Ship Rule in Bid to Tame Spiraling Fuel Prices (1)(抜粋)