- 「重大」ではないが間接的な信用リスクの可能性を示唆
- プライベートクレジット投資、テック分野への貸し出しが増加

ドイツ銀行は12日、プライベートクレジット(ノンバンク融資)分野への260億ユーロ(約4兆7700億円)のエクスポージャーを公表した。プライベートクレジットは、償還要求の増加や融資基準の厳格化、ソフトウエアメーカーなど一部融資先の先行き不安といった課題が注目されている。
ドイツ銀行は年次報告書で、非銀行系金融機関に関連する「重大なリスク」にはさらされていないと説明した。ただし、相互接続されたポートフォリオや取引相手を通じ、間接的な信用リスクに直面する可能性があると付記した。
報告書では「米国における一部のサブプライム(信用力の低い個人向け)貸し手の破綻が、プライベートクレジット関連のリスクに対する投資家の注目を高め、融資基準や不正リスクへの広範な懸念を招いた」としている。
ドイツ銀行の株価は12日のフランクフルト市場で、一時7.6%安と、昨年4月以来の大幅下落となった。
約1.8兆ドル規模のプライベートクレジット市場では、注目度の高い企業破綻が相次いだことで、融資の質や、人工知能(AI)の進展でビジネスモデルに混乱が生じるとされるソフトウエア企業への融資に対する懸念が高まっている。JPモルガン・チェースは、ポートフォリオ内の一部ローン債権について評価を引き下げ、プライベートクレジットファンド向けの一部貸し付けを抑制している。
英住宅金融会社マーケット・フィナンシャル・ソリューションズ(MFS)の破綻も、銀行と民間の貸し手の両方を揺るがした。
ドイツ銀行の報告書によると、同社のプライベートクレジットのポートフォリオは2025年、償却原価ベースで前年の245億ユーロから259億ユーロに増加した。ソフトウエアを含むテクノロジー分野への貸出残高も、償却原価ベースで117億ユーロから158億ユーロに拡大した。
事情に詳しい関係者によると、ドイツ銀行が率いる銀行団は、ソフトウエア企業の買収を支援する約12億ドル(約1900億円)のローンで債権を売却できず、珍しい「ハング・ディール」となっている。
ドイツ銀行はプライベートクレジットのリスクを警告する一方で、自社のプライベートクレジット商品については拡大を計画している。同行は、選択的な地域拡大と、プライベートバンク部門との商品・デジタル投資ソリューションの共同開発を通じた販売網の拡大を図る方針を示した。
原題:Deutsche Bank Raises Bonus Pool 6.6% After Mixed Performance(抜粋)