- 中国との「非常に良い関係」強調、「ここにいることが重要」と指摘
- 会談延期は中国側にとって必ずしも大きな失望とはならない可能性

Matthew James McArthur、Hadriana Lowenkron
トランプ米大統領は16日、中国を訪問して習近平国家主席と首脳会談を行う計画について、1カ月程度延期するよう要請したと語った。対イラン戦争を主導するために首都ワシントンにとどまるのが重要だと指摘した。
トランプ氏はホワイトハウスで開かれたイベントで、訪中計画の日程変更の可能性に関する質問に対し、「今まさに調整を進めている。中国と話しているところだ」と返答。訪中したいが、「戦争があるため私はここにいたい」と話した。トランプ氏は今月末からの訪中を予定していた。
その上でトランプ氏は「ここにいなければならないと感じている。このため1カ月ほど延期するよう要請した。彼らと会えるのを楽しみにしている。私たちは非常に良い関係にある」と指摘。「戦争が進行中であり、私がここにいることが重要だと思う。少し延期する可能性はあるが、長くはない」と説明した。
トランプ氏は3月31日-4月2日の訪中で習氏と会談する計画について、両国関係における重要な節目だとして強調していた。両国のチームはここ数日、パリで会合を開き、米国への中国投資や先端半導体の輸出など合意の可能な分野について協議を進めていた。
しかしイランでの戦争がトランプ氏の他の優先課題に影を落としている。特にイランが海上交通の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖に動いたことで、原油価格は1バレル=100ドルを超えた。トランプ氏は海峡の安全確保やタンカーなど船舶の安全な航行を維持するため、他国にもリソース提供で協力するよう圧力を強めている。世界的なエネルギー供給網の逼迫(ひっぱく)が背景にある。
トランプ氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、ホルムズ海峡を通過する恩恵を受けている国々がその防衛に協力するのは「当然だ」と述べ、中国が海峡問題で協力しなければ訪問を延期する可能性も示唆していた。
これに対し人民日報系の環球時報(グローバル・タイムズ)は、米国が始めて終わらせることができない戦争のリスクを拡散しようとする試みだと批判し、トランプ氏のこうした考えを退けた。
ベッセント米財務長官は16日これに先立ちCNBCの番組で、トランプ氏が中国に海峡再開への協力を迫るため訪中を延期する可能性があるとの見方を否定した。仮に延期があるとしても、会談を巡る「日程調整などの実務的な事情」や、戦争対応にトランプ氏の関心が集中していることが理由だと述べた。
一方で首脳会談の延期は、中国側にとって必ずしも大きな失望とはならない可能性がある。事情に詳しい関係者によると、中国は準備時間を確保するため、トランプ氏が4月末に訪中する案を以前から提案していたという。延期されれば、台湾を含む安全保障や外交問題について、さらに協議を進める余地が生じる。
原題:Trump Says He Asked China to Delay Xi Summit Due to Iran War (1)(抜粋)
▽米中首脳会談、延期でも「実務的な理由」-ベッセント氏が説明<bloomberg日本語版>2026年3月16日 at 22:01 JST
- 「大統領は戦争対応でワシントンにとどまりたいと考えている」
- 原油価格は数カ月後には80ドルを「大きく下回る可能性が高い」

ベッセント米財務長官は、今月末に予定されているトランプ大統領の中国訪問が延期される可能性について、大きな意味合いはないとの見解を示した。
ベッセント氏は16日、トランプ氏が中国にホルムズ海峡の再開に協力するよう求めていることが延期の理由だとの「誤った見方が出ている」と指摘。「それは事実に反する。仮に予定が変更される場合でも、日程調整などの実務的な事情によるものだ」とCNBCの番組で語った。
さらに「トランプ大統領は戦争対応の調整でワシントンにとどまりたいと考えており、このような状況での外国訪問は得策とは言えない」と述べた。
これとは別に、ホワイトハウスのレビット報道官はFOXニュースで「会談が危ぶまれているとは思わないが、延期される可能性は十分にある」と発言。「現在、首脳同士の協議が進められており、延期される場合には当然日程を示す」としたうえで、トランプ氏は訪中を楽しみにしており、「問題はあくまで時期の問題にすぎない」と語った。
トランプ氏は15日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、ホルムズ海峡の封鎖解除に中国が協力しない場合、3月31日から4月2日に予定している北京訪問を延期する可能性があると語っていた。ホルムズ海峡の安全確保に向けた米国の協力要請について、中国はこれまでのところ公には反応していない。
米中通商協議
ベッセント氏とグリア通商代表部(USTR)代表は、中国の何立峰副首相らとパリで1日半にわたる通商閣僚協議を行った。同氏は会合について「非常に良い内容だった」と述べ、訪中延期の可能性が発表されても市場が反応するべきではないとの考えを示した。
グリア氏はその後、「いわゆる『米中貿易委員会』のような枠組みを設ける可能性についても協議した」と記者団に述べた。
これに先立ち、中国の李成鋼商務次官も、二国間の貿易や投資に関する協力の仕組みを促進する方策を検討する作業部会の設置について協議したと明らかにした。
両国の代表団は、農産品など米国製品の購入についても協議したとしている。米国側は、連邦最高裁の無効判断を受けてトランプ政権が導入に取り組んでいる新たな関税措置についても説明したという。
「原油危機」否定
ベッセント氏は、エネルギー供給を巡る懸念の緩和に努める姿勢も示し、原油価格は数カ月後には80ドルを「大きく下回る可能性が高い」との見通しを示した。
同氏は、イランとの軍事衝突前は湾岸地域から日量約2000万バレルの原油が供給されていたが、現在は「1000万-1400万バレル程度」の不足が生じていると指摘。そのうえで、イランについては「海上に約1億4000万バレルの原油がある」とし、サウジアラビアも世界各地に備蓄した供給を放出できるとの見方を示した。
また、国際エネルギー機関(IEA)による備蓄放出やロシア産原油に対する制裁緩和措置にも言及。「多くの主要メディアが事態をあおり、本来は危機ではないものを危機のように仕立てようとしている」と述べた。
さらに、原油価格の押し下げを狙って米財務省が市場介入する可能性があるとの観測について問われると、「そうしたうわさは市場に出回っている。価格が大きく激しく動く局面では、いつもそうした話が出る。我々はそうした措置は取っていない」と述べた。
事実上の閉鎖が続いているホルムズ海峡をめぐっては、イランが一部タンカーの通過を認めていることは「問題ない」との認識を示した。
原題:Bessent Plays Down Concern Over Any Trump China Trip Delay (1)(抜粋)