茂木外相は、19日(日本時間20日)に行われた高市首相とトランプ米大統領の首脳会談に同席し、トランプ氏主催の夕食会にも参加した。茂木氏は首相の要請で急きょ訪米に同行し、初訪米を側面から支えた。

 首相は会談の冒頭、イランによる周辺国への攻撃やホルムズ海峡が事実上封鎖されていることを非難した上で、「茂木外相からもイラン外相に対し、(行為を)やめるよう申し入れてきた」と述べ、日本の働きかけをアピールした。

 首相同行筋によると、イラン情勢を巡るトランプ氏の発言が揺れ動く中、米側の真意を見極める必要があると判断し、外交経験が豊富な茂木氏を同行させた。首脳会談の席上、トランプ氏から「力による平和」に関する想定外の質問があり、困った首相が茂木氏に視線を向けると、茂木氏が代わりに回答。トランプ氏は上機嫌だったという。

 一方、首脳会談ではイラン情勢や経済分野に議論が集中し、中国や台湾に関しては十分な協議ができなかった。

 このため、茂木氏は夕食会で隣席だったバンス副大統領と対中認識の共有を図った。日中関係について「対話による課題の解決が必要だ」と強調し、東・南シナ海での現状変更の試みや中国による輸出規制は、日米双方に影響すると指摘した。両氏は、レアアース(希土類)を含むサプライチェーン(供給網)の 強靱きょうじん 化や経済安全保障分野での協力拡大でも一致した。

 イラン情勢が緊迫化して以降、茂木氏はルビオ米国務長官と協議を重ね、首相訪米の地ならしを進めた。日本が伝統的な友好関係を持つイランのアッバス・アラグチ外相とは今月に2回電話会談し、事態の早期沈静化を求めており、外務省幹部は「茂木氏が事前調整から当日の首脳会談、夕食会まで首相を側面支援したことが奏功した」と語った。