• トランプ氏は48時間以内の開放を要求、双方とも一歩も引かず
  • イランのミサイルがイスラエルに着弾、1発は核施設があるディモナ
ホルムズ海峡に向けてアラビア湾を航行する貨物船
ホルムズ海峡に向けてアラビア湾を航行する貨物船Source: AP Photo

Arsalan ShahlaSalma El Wardany

ホルムズ海峡の商船通航を速やかに再開しなければ発電施設を爆撃するとのトランプ米大統領の警告に対して、イランは徹底抗戦の構えを見せている。中東情勢が一段と緊迫する中、対イラン戦争は4週目に入った。

  トランプ氏は21日遅く、48時間以内に海峡を開放しなければ、イランの複数の発電所を「攻撃し壊滅させる」と投稿

  これに対しイランは、発電施設が攻撃を受けた場合、ホルムズ海峡を「完全に封鎖する」と威嚇した。国営テレビが22日、軍司令部の声明として報じた。

  またイラン軍は中東地域にある米国およびイスラエルの「エネルギー、情報技術、海水淡水化インフラのすべて」を標的にすると、タスニム通信が伝えた。  

  こうした強硬な発言の応酬は、双方とも一歩も引かない意向であることを示している。たとえ、ホルムズ海峡の通航が再開された後も、多くの生産施設が損傷しているため、石油やガスの供給が正常化するまでは時間がかかる見通しだ。

  さらに、ホルムズ海峡の封鎖は肥料や作物栄養素の不足も引き起こしており、食料生産に深刻な混乱が生じるリスクが高まっている。

  米国と緊密な関係を持つアジアの買い手は、原油確保と価格抑制という差し迫った必要性と、不安定なトランプ政権を刺激しないよう配慮する必要性との間で、難しいかじ取りを迫られている。多くの国は海峡の安全確保に向けた米国からの軍艦派遣要請に応じていない状況だ。

  イランのアラグチ外相は20日のインタビューで、日本関連船舶のホルムズ海峡通過を認める用意があると示唆した。一方、茂木敏充外相は22日、イランとの個別交渉は「考えていない」と発言。「みんな通れる状態を作ることが極めて重要」と指摘し、ホルムズ海峡で足止めされている日本船舶45隻の安全について「政府としてもしっかり責任を持ちたい」と強調した。

  原油の主要輸入国である韓国も同様に慎重な姿勢を取っており、情勢を注視するとともにイランを含む関係国と連絡を取り合っているとしている。

攻撃の応酬続く

  米国とイスラエルは22日も、首都テヘラン周辺を含め、イラン国内の標的への攻撃を継続した。イランもイスラエルおよびアラブ湾岸諸国に向けてミサイルやドローンによる攻撃を続けており、21日遅くには弾道ミサイル2発がイスラエルの防空網を突破し、南部のアラドとディモナに着弾。約115人が負傷した。

  今回の着弾現場からは数マイル離れているが、ディモナ郊外にはイスラエルの主要核施設が位置している。タスニム通信によると、イスラエルがナタンズの核施設に攻撃を加えたことに対する報復だとしている。

  ベッセント米財務長官は米国とイスラエルによる対イラン攻撃について、ホルムズ海峡沿いにあるイランの防衛拠点の破壊が目的だと説明した。

  米国の目標達成に向けてトランプ氏は「あらゆる手段を講じる」とNBCの番組で発言。目標には、イランの空軍および海軍の破壊、核兵器保有能力の阻止、「国際的な影響力行使能力の排除」が含まれると述べた。

  イスラエルのネタニヤフ首相は、イランの核・ミサイル開発を完全に破壊することが自国の軍事目標だと改めて強調。さらに、イラン国民が指導部を打倒するための「条件を整えること」も目標の一つだと付け加えた。

  だが、西側の情報機関の分析や関係者によると、イランは体制崩壊に近づいておらず、生存する指導部の下で結束しつつある。

  各国政府や非政府機関(NGO)によると、今回の戦争により中東全体で4000人以上が死亡しており、その4分の3以上はイランに集中している。イスラエルがイランの代理勢力であるヒズボラへの攻勢を強めているレバノンでは、死者が1000人を超えた。

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イスラエル南部アラドのミサイル着弾現場Photographer: Ilia Yefimovich/AFP/Getty Images

原題:Trump and Iran Hurl War Threats With Hormuz Crisis Building (2)