- トランプ氏、戦争終結に向けた交渉が進行中だと改めて主張
- 米国、陸軍精鋭部隊である第82空挺師団の派遣を命令-関係者

Jennifer A Dlouhy、Courtney Subramanian、Jen Judson
トランプ米大統領はイランから誠意の記しとして「贈り物」が提示されたと示唆した。25日間にわたり世界市場を揺るがしている紛争の終結に向け、交渉が進行中だとトランプ氏は主張しているが、その一方で中東への米軍増派も進めている。
トランプ氏は「極めて多額の価値がある」贈り物の詳細は明らかにしなかったが、ホルムズ海峡を通じたエネルギー流通に関連するものだと認めた。イランのタスニム通信によると、タイの船舶がこの日、同海峡を通過した。
「われわれは現在交渉中だ」とトランプ氏はホワイトハウスで記者団に語り、交渉にはウィトコフ特使と娘婿のクシュナー氏、ルビオ国務長官、バンス副大統領が関与していると述べた。トランプ氏の楽観的な見方とは対照的に、米国防総省は中東への地上部隊増派を進めている。
15項目の提案
米紙ニューヨーク・タイムズは、米国が戦争終結に向けた15項目の提案をイランに提示したと報じた。この案はパキスタンを通じて送付されたという。同紙は匿名の当局者2人の話として、イラン指導部の誰がこの提案を受け取ったのか、またその反応については不明だと伝えた。
一方、イスラエルのチャンネル12は、事情に詳しい関係者3人の話として、米国がイランの核開発計画と戦争終結を巡る交渉に向け、1カ月の停戦を模索していると報じた。
それによれば、15項目から成る計画には、イランが核開発計画を解体し、核兵器を決して開発しないと約束することや、代理勢力への支援停止、ホルムズ海峡の事実上の封鎖の解除、ミサイル能力に対する一定の制限受け入れなどが盛り込まれている。
その見返りとして、全ての対イラン制裁が緩和され、スナップバック(制裁復活)の脅威も解除されるほか、イランは民生用核開発で米国の支援を受けることになる。
報道によると、イスラエルはこの提案に懸念を示しており、イランが条件を受け入れる可能性は低いとみている。この提案にはウィトコフ、クシュナー両氏が関与しているとされる。
トランプ氏は、合意の可能性に関する幾つかの条件について、イランが同意しているとあらためて主張した。
「彼らはわれわれと協議しており、まともなことを言っている。全ては核兵器をイランに保有させないという点から始まる」と発言。「誰と交渉すべきか誰も知らないが、実際にわれわれは適切な相手と話している。彼らは合意を強く望んでおり、その強さは想像もつかないほどだ」と語った。
イランと米国は、オバマ元大統領時代に核合意を締結したが、トランプ氏は2018年に同合意から離脱している。
米国が誰と交渉しているのか、協議の枠組みや合意の大枠を巡っては、依然として大きな不透明感が残っている。
米ニュースサイトのアクシオスは事情に詳しい関係者2人の話として、米国と地域の仲介国がイランとの高官級協議を早ければ26日に開催する可能性について協議しており、イラン側の回答を待っていると報じた。
北海ブレント原油は1バレル=104ドルを上回って取引を終え、23日の11%下落分の一部を取り戻した。中東における米国の軍事的関与拡大の兆しが背景にあり、複数の湾岸諸国も、イランが自国の重要インフラを攻撃した場合、米国とイスラエルの作戦に加わる用意があることを示唆した。
トランプ氏は23日、合意成立に必要な時間として5日間の猶予をイランに与えると述べた。一方で、米海兵隊はペルシャ湾岸地域に向かっている。
事情に詳しい関係者によると、政権は陸軍の精鋭部隊である第82空挺(くうてい)師団の兵士約2000人を中東に派遣するよう命じた。この動きについては米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。
第82空挺師団は、世界のどこへでも18時間以内に展開できるよう設計・訓練された即応部隊で、奇襲作戦の実施や飛行場などの重要拠点の確保を任務としている。
米中央軍と国防長官室は、部隊移動の可能性に関する問い合わせについてホワイトハウスに対応を委ねた。
ホワイトハウスのケリー報道官は声明で「部隊展開に関する発表はすべて国防総省から行われる」と述べ、「これまでも述べている通り、トランプ大統領は常にあらゆる軍事的選択肢を有している」とした。
イランとイスラエルの衝突は収束の兆しを見せていない。イランはホルムズ海峡からコンテナ船を引き返させ、イスラエルはイランへの攻撃を継続した。イスラエルのカッツ国防相は作戦を「全力で」続けると述べた。
原題:Trump Says Iran Gave ‘Present’ Tied to Energy in War Talks (1) (抜粋)