延期されている米軍によるイランの電力関連施設への猛攻撃のタイムリミットが明日、27日に迫ってきた。国内外の主要メディアが発信している情報は可否両論、情報量は莫大だが真相はいまだに藪の中。こうなれば協議が実現するのか、激烈なる米軍の攻撃になるのか、当たるも八卦当たらぬも八卦、サイコロを振って奇数が出るか偶数が出るか、神頼みで博打を打つしか手はない。それでも「お前はどちらに賭けるのだ」と聞かれれば、願望を込めて協議実現と答えたい。理由は簡単だ。世界中の多くの人たちと同じように、戦争が早期に終了して世界が平和になることを願うからだ。だが現実はそれほど簡単ではないだろう。テレビや新聞、ネットの情報など手に入る情報を総合すると、両国の権力者はともに戦争の終結を願いながら、なお“メンツ”に拘っている現実が浮き上がってくる。
政治とは異なるものだと思う。米国は停戦の条件として15項目を提示。これに対抗してイランは5項目の提案をパキスタン経由で米国に伝えているとされる。15項目のみならずイランは公式的には協議そのものを完全に否定している。それにもかかわらず5項目の条件を提示しているのだから、明らかに矛盾だ。政権の存亡や国民の命をかけた戦争である。本物の戦争と同じように情報戦争も嘘や脅しはったり、フェイクにごまかし、なんでもありだ。表向きの提案は過激であるほど国民受けする。ましてイランは強硬派と穏健派に分かれて真っ二つに切り裂かれている。軍事力を含めて実権を握っているのは強硬派だ。米国との対話を推進したい穏健派も、強硬派のご機嫌を伺いながらの交渉を水面下で進めるしかないだろう。そんなことは米国側も百も承知だ。トランプ氏も交渉を呼びかけながら巨大艦船を中東に送り込んでいる。ついには米国の最精鋭部隊とされる第82空挺師団に出陣命令が出た。同部隊の出陣は「米国の本気度」を示しているのだという。
トランプの脅しもここまで来れば、イランとて空威張りは済まないだろう。水面下では穏健派と急進派の死にもの狂いの調整が行われているのではないか。この調整を制したものがイランの次の指導者につく。米国も状況は似ている。戦争反対派のバンス副大統領と推進派のルビオ国務長官が、ここにきて交渉の矢面に立たされそうな雲行きだ。ここで実績を上げたものが次の大統領選の有力な候補になるだろう。戦争も激烈だが交渉の準備も苛烈だろう。それでも戦争の継続よりは協議に委ねる方が、解決方法としてはスマートだ。イラン革命から50年近く経っている。元々は親米派だったイランが、この間に最強の反米派に転じている。仮に協議が実現したとしても両国の話し合いは簡単に結論はでないだろう。協議自体が熾烈な争いになる。協議がどんなに激しくなっても戦争よりマシだ。両国とも未来に向けて徹底的に渡り合えばいいだろう。だから協議実現に賭ける。