• S&P500種は1.7%安、原油は上昇-停戦に向け懐疑的な見方広がる
  • 円159円85銭と年初来安値に接近、その後トランプ氏発言で一時上昇
にゅー
にゅーPhotographer: Michael Nagle/Bloomberg

Rita Nazareth

26日の米金融市場では原油相場が上昇し、株式と国債が下落した。米国とイランが近く停戦に至ることに懐疑的な見方が広がった。

株式終値前営業日比変化率
S&P500種株価指数6477.16-114.74-1.74%
ダウ工業株30種平均45960.11-469.38-1.01%
ナスダック総合指数21408.08-521.75-2.38%

  S&P500種株価指数は1.7%安と、イラン戦争開始以降で最大の下落率で引けた。トランプ米大統領はイランと外交的な合意に至るかは確信を持てないと述べた

  北海ブレント原油は上昇し、1バレル=約108ドルで終了。エネルギー価格上昇がインフレ加速懸念を強め、米国債相場は下げを拡大した。国債入札の不調も響いた。ビットコインと金は反落した。

  トランプ氏は、米国が示した戦争終結に向けた計画案をイランが拒否したことを受け、軍事行動の強化を警告した。

  イランは米国が提示した15項目の停戦提案に対し、仲介者を通じて正式に回答した。準国営タスニム通信が報じた

  ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「米国とイランの間で協議の進展が見られたとしても、詳細が分からず不明瞭としか言いようがない」と述べた。

  ベッセント米財務長官は、ホルムズ海峡の海上輸送を促進するための米国の保険プログラムがまもなく開始するとの見通しを示した。この措置は、世界の石油・ガス輸送の回復につながる可能性がある。

  LPLファイナンシャルのアダム・ターンクイスト氏は「イランでの戦争とその結果起きた原油急騰が、引き続きリスクテーク意欲を損なっている」と指摘。「持続的な相場回復には、和平合意に向けた実質的な進展とホルムズ海峡の再開が必要だろう」と述べた。

外為

  外国為替市場ではドル指数が3日続伸。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇した。トランプ氏がイランとの停戦合意の実現性に疑問を呈したことが材料視された。

  円は対ドルで一時0.2%安の159円85銭まで下落。今年に入ってからの最安値(159円90銭)に近づいた。

  その後、トランプ氏がイランのエネルギー施設攻撃までの期限を、米東部時間4月6日午後8時まで延長すると発表したことを受けて上昇し、159円30銭台を付ける場面があった。

為替直近値前営業日比変化率
ブルームバーグ・ドル指数1216.204.850.40%
ドル/円¥159.76¥0.290.18%
ユーロ/ドル$1.1530-$0.0029-0.25%
米東部時間16時55分

  この日発表された米失業保険申請データによれば、14日終了週の失業保険の継続受給者数は前週比3万2000人減の181万9000人と、2024年5月以来およそ2年ぶりの低水準となった。

  シティグループのダニエル・トボン、高島修、ブライアン・レビン各氏は「スタグフレーション的なマクロ環境は世界経済の成長見通しとリスクセンチメントを圧迫し、向こう数カ月にわたりドルを下支えするだろう」と指摘。

  その上で、「イラン戦争を越えて年末に向けた局面となれば、ドル高は弱まると予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)は物価安定と雇用最大化という2つの責務を担っているため、ハト派的な見直しが迅速に進む可能性がある」とリポートで述べた。

国債

  米国債相場は下落(利回り上昇)。この日実施された7年債入札が振るわなかった。今週行われた3つの入札は、いずれも需要が比較的低調なことを示した。イラン戦争終結に向けた外交努力がうまくいかず、相場変動が大きくなっていることが背景にある。

国債直近値前営業日比(bp)変化率
米30年債利回り4.93%3.10.63%
米10年債利回り4.41%8.11.88%
米2年債利回り3.98%9.62.48%
米東部時間16時55分

  米財務省がこの日実施した7年債入札(440億ドル規模)は最高落札利回りが4.255%と、入札前取引(WI)水準(4.247%)を上回った。

  米国債相場は入札結果が伝わると下げを拡大し、利回りは全年限で4-8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

  今週実施された2年、5年、7年債の入札はいずれも最高落札利回りがWI水準を上回った。2年債と5年債の入札は、7年債よりさらに需要が弱かった。1カ月間に行われた3件の入札結果として、2024年5月以降で最も低調だ。

  CIBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティー氏は「さまざまなニュースの見出しに反応し、予期せぬタイミングで日中の値動きが激しくなっている」と指摘。

  「そのため、市場参加者は追加的なリスクを取るのに慎重になっている。入札のような流動性に関わる大規模なイベントは、こうした環境下では消化が難しくなる」と述べた。

  2月28日にイランへの攻撃が始まって以降、米国債利回りはおおむね原油価格と連動して推移してきた。インフレ加速懸念を背景に年内の米利下げ観測が後退し、利上げが織り込まれ始めたことも、債券市場にはさらなる逆風となっている。

原油

  原油先物相場は急反発。米国が示した戦争終結に向けた計画案をイランが退けたことを受け、トランプ氏が軍事行動を一段と強化する構えを示したことが材料視された。

  さらにトランプ氏は、米国がイランと停戦で合意する用意があるかどうか分からないとも発言し、相場を支えた。

  これに先立ち、米国は紅海の入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡の船舶航行について、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による攻撃のリスクがあると警告していた。

  エネルギー海上輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態にある中で、同海峡は数少ない代替航路の一つとなっている。

  一方、トランプ氏はエネルギー高対策として連邦ガソリン税の一時停止を検討していると述べたほか、27日としてきたイランとの交渉期限について柔軟に対応する余地があることを示唆した。

  CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「市場はもはや発言だけでは満足せず、交渉の具体的な内容やホルムズ海峡の再開に向けた道筋を求めるようになっている」と指摘。

  「27日の期限延長に含みを持たせる、ガソリン税を凍結するといった原油価格の押し下げを狙った試みは、過去には効果があったが、今回は奏功していない」と述べた。

  一方、イランが米国の15項目の停戦案に対し、仲介者を通じて25日夜から26日朝にかけて正式に回答したと伝わると、原油相場は上げを削る場面もあった。

  ロンドンICEの北海ブレント5月限は前日比5.79ドル(5.7%)高の1バレル=108.01ドルで終了。ニューヨーク商業取引所のWTI先物5月限は4.16ドル(4.6%)高の94.48ドルで引けた。

  トランプ氏がイランのエネルギー施設攻撃までの期限を延長したことを受けて、WTI先物は時間外取引で一時下げに転じた。北海ブレントも103ドル近くまで上げを縮小した。

  金スポット価格は反落。トランプ氏がイランへの攻撃強化を警告したことで、戦争の長期化が意識された。

  一時は3%余り下げ、1オンス=4367.33ドルをつけた。

  金はイラン戦争開始以降、15%余り下落。エネルギー価格高騰に伴うインフレ懸念から金利の先高観が強まっていることが重しだ。これは利子を生まない金にとって逆風となる。

  ブルームバーグの試算によると、上場投資信託(ETF)の金保有高は戦争開始以降に約85トン減少した。

  スダクシナ・ウニクリシュナン氏らスタンダード・チャータードのアナリスト陣は、金価格が1オンス=4500ドルの水準でも、依然として83トン分の保有高は含み損の状態にあり、投資家が売却に動く可能性があると指摘した。これは25日終値ベースで約120億ドルに相当する。

  オプションを通じて金価格の一段安を見込む動きも出ており、今週初めには最大の金連動型ETFのプットオプションに1億ドル超を投じたケースもあった。

  ニューヨーク時間午後1時57分時点で、金スポット価格は前日比122.16ドル安の1オンス=4383.83ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は同176.50ドル(3.9%)安の4409.00ドルで終了した。

原題:Selloff in Stocks Gains Speed on Ceasefire Doubts: Markets Wrap(抜粋)

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