
[ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 30日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日、金融政策は「良い位置」にあるとし、イラン情勢がどのように経済やインフレに影響するか見極めるために様子見姿勢を取ることが可能との見解を示した。
パウエル議長はハーバード大学での講演で「われわれの政策は、状況がどうなるか見守るために良い位置にあると思う」と語った。インフレ期待は短期的にとどまらず、「それを超える期間において十分に抑制されているように見える」とし、FRBが現時点で行動を起こす必要はないという認識を示した。
イラン紛争を背景にエネルギー価格が上昇する中、パウエル議長は「われわれは今、エネルギーショックを受けている。どれほどの規模になるかは誰にも分からず、判断するには時期尚早だ」と述べた。
トランプ政権の関税措置に伴う物価上昇については一時的で、インフレ率を0.5─1%押し上げる程度にとどまるという考えを示し、「はるかに小規模」な衝撃とした。
FRBはインフレを持続的に目標の2%に回帰させることに注力しているとした上で、物価安定と完全雇用という二大責務の間に「緊張関係がある」と指摘。「労働市場には一定の下振れリスクがあり、低金利を維持すべきであることを示唆しているが、インフレには上振れリスクがあり、低金利を維持すべきでないことを示唆している」という認識を示した。
トランプ大統領が指名したウォーシュ次期FRB議長候補にアドバイスはあるかという問われ、パウエル議長は詳細には踏み込まなかったものの、FRBは二大責務達成以外の目的に政策手段を用いる誘惑に抵抗すべきと指摘。「われわれは政治家や政権に逆らおうとしているわけではないが、われわれが果たすべき役割を堅持しなければならない」と語った。
また、FRBによる資産購入については、経済への効果は不確実としつつも、その有効性を擁護した。
急激なストレス下における資産購入に関し「これまでのところ、大きな下振れリスクは確認されていない」と指摘。「期間の長い資産を購入することで金利は低下し、経済活動をある程度下支えする効果がある」と語った。